2023年04月27日
不動産投資の成否は、7つのリスクの「理解と事前対策」で左右する。
不動産投資はリスクがありますが、事前に対策することでコントロールできることを知っていますか?
残念ながら、対策を取らずに不動産投資を始めて失敗する方が多いのが現実です。
逆にいえば、これらのリスクに対する知識を深め対策をとることができれば、不動産投資は他の投資と比べて失敗しにくい投資と言えます。
ここでは、不動産投資のリスクにはどんなものがあるのか、それらのリスクが不動産投資に与える影響、リスクへの対策について詳しく解説します。
目次
不動産投資の7大リスク・対策一覧
不動産投資の主なリスクとその影響、対策を一覧にまとめました。
「新築ワンルームマンション」だけはおすすめしない理由
大吉不動産では、資産形成が目的の不動産投資において「新築ワンルームマンション」をおすすめしていません。
物件の利回りが低く、キャッシュフローがマイナスになる可能性が高いためです。
「赤字になれば節税効果がある」と言われることも多々ありますが、資産形成が目的であれば黒字になる物件を選定した方が良いでしょう。
家賃収入は、新築時が最も高く徐々に下がるケースが一般的です。
不動産投資を始めた当初から赤字であれば、キャッシュフローは年々悪化していきます。
資産形成をしたい方は「儲からない物件は買わないこと」を意識しましょう。
【不動産投資の空室リスク】長期化すると深刻、早めの対策を!
空室リスクとは、空室が発生して無収入になる(または減収する)リスクです。
長期化すると深刻な問題になりかねません。
空室リスクの問題点は、家賃収入が入らなくてもローンの返済が続くこと、税金や維持費がかかり続けることです。
ローンを滞納すると分割払いができなくなり、金融機関から一括返済を求められることがあります。
一括返済できないと、最終的に物件の売却に追い込まれます。
また、固定資産税や都市計画税、光熱費といったランニングコストも収入の有無に関わらずかかり続ける点に注意が必要です。
空室の原因とリスク対策
空室リスクを抑えるポイントは、2つ。
・賃貸需要のある物件を選定すること
・信頼できる会社へ管理委託すること
です。万が一空室が発生した場合、個別の物件で原因が異なります。原因を分析して適切に対応しましょう。
例えば、新築当初の入居者が退去後、入居者募集に苦労している場合は家賃の設定が相場に適していない可能性があります。
相場や賃貸需要は問題ないのにもかかわらず、決まらない場合、物件の管理体制に問題があるのかもしれません。
賃貸経営において「管理を買え」といわれているほど、管理体制・管理会社選びは重要です。
やる気がない管理会社にまかせると、どんなに良い物件でもきまりにくくなります。
管理会社を変えた途端、入居が決まったケースも珍しくありません。
信頼できるパートナーを選びましょう。
【不動産投資の家賃滞納リスク】問題が長期化する恐れあり
家賃滞納リスクは、入居者が家賃を払ってくれなくなるリスクです。
状況によっては空室よりも厄介なため、家賃の滞納で悩むオーナーは少なくありません。
問題点は、滞納されても簡単に追い出せず、次の入居者募集もできない点です。
単純に支払いを忘れていた場合はすぐに解消されますが、本人に自覚がある場合は解決までに時間がかかります。
不動産投資に大きく関係する「借地借家法」は、入居者にとって有利な法律です。
住居は生活に必要不可欠なため、入居者の権利が守られています。
1ヶ月滞納しただけではすぐに追い出せず、滞納されている間は次の入居者のための募集・リフォームもできません。
不動産投資を始める際、家賃滞納時の対処法について知っておくと、もしもの時に役立ちます。
家賃滞納の原因とリスク対策
家賃滞納を回避するポイントは、滞納するリスクが高い人を入居させないことです。
入居審査を管理会社へ委託する場合も、「どのように審査するか」をチェックしておくと良いでしょう。
また、滞納時に備えて家賃保証会社を利用するのも手です。
家賃保証会社を利用すれば、滞納時も入居者の代わりに家賃が支払われます。
【不動産投資の火災・自然災害リスク】地域に関わらず対策が必要
火災・自然災害リスクは、火災や地震、台風などで建物が被災するリスクです。
木造住宅が多い日本において、火災のリスクは他人ごとではありません。
また、地震だけでなく、台風、土砂崩れ、津波など多くの自然災害によって建物が損壊するリスクもあります。
自然災害そのものを防ぐことは難しいものの、損害保険や物件選定でリスクを抑えられます。
火災・自然災害リスクへの対策
火災・自然災害リスクへの対策は以下3つです。
・損害保険(火災保険、地震保険)への加入
・新耐震基準の建物を選ぶ
・ハザードマップを確認してリスクの低い地域を選定する
火災保険では、火災だけでなく台風や洪水など、さまざまな自然災害による損害を補償してくれます。
ただし、地震による火災や津波の損害は補償されないため、セットで地震保険へ加入しましょう。
建物によって、地震への強さが異なる点にも注意が必要です。
特に建築基準法が改正された影響で、1981年前後に建てられた物件は耐震性が大きく異なります。
「どの物件を選定するのか」と同じように「どの地域を選定するのか」もポイントです。
地域によって自然災害リスクの高さが異なるため、ハザードマップで情報をチェックしておきましょう。
【不動産投資の金利上昇リスク】金融機関の最新動向を要チェック
金利上昇リスクは、ローン金利が上昇して返済負担が増えるリスクです。
自己資金や毎月の収支に余裕がない状態で返済負担が増えると、資金繰りが悪化します。
日本では長く低金利が続いていますが、今後の日本銀行の金融政策によっては再び上昇する可能性もあります。
各金融機関の最新動向をチェックしておきましょう。
金利上昇リスクへの対策
金利上昇リスクがあるのは、「変動金利」を選択した場合です。
ローン返済額の増加が不安な方は固定金利を選択するのも手です。
固定金利:返済期間中の金利が変わらない
変動金利:市場の金利に合わせて変動する
ただし、一般的に固定金利の相場は変動金利よりも高くなり、その分、利息の負担が増えます。
融資対象の物件や個人の資産背景などによっても金利の条件が異なるため、融資状況に詳しい不動産会社へ相談してみてください。
また、ローンを組む時は「借り過ぎないこと」が重要です。頭金を多く準備するなど、無理のない資金計画を立てましょう。
【不動産の資産価値下落リスク】徹底した事前調査で対策を!
資産価値下落リスクとは、不動産の価値が下がって入居付けや売却が難しくなるリスクです。
「資産価値の下落」には、さまざまな要因があります。
例えば、地域の人口が減少する、同じ建物で事件が起こるといったケースでは入居付けの難易度が上がるでしょう。
空室期間が長引いて資金繰りが悪化し、売却を検討するとします。
需要が低い物件は売却したくても買い手が見つからず、売り値を大幅に下げざるを得ない状況に陥るかもしれません。
資産価値下落リスクへの対策
将来の周辺環境の変化は個人でコントロールできないものの、事前調査で回避できるケースもあります。例えば、人口推移や物件の事件・事故の履歴など、過去を調査するのも手です。
地域の事情を調査するには、地域に詳しい不動産会社へ聞くことが一番です。不動産会社へ相談する際、周辺情報について質問してみてください。
【不動産投資の老朽化リスク】建物は定期メンテナンスが必要
建物の老朽化リスクとは、老朽化で修繕費が増えたり、入居付けが難しくなったりするリスクです。
建物は、人間と同じように定期的なメンテナンスが必要です。
計画的に修繕しないと競合物件と比べて魅力が下がり、入居者が付きにくくなります。人が住まないと湿気がたまりやすくなり、老朽化が早まります。
老朽化リスクへの対策
老朽化リスクへの対策は、計画的にメンテナンスすることです。あくまでも目安ですが、建物は約10年~15年で大規模修繕にお金がかかります。
以下のように、部位ごとに計画を立てて少しずつ修繕しましょう。
5年~10年:ベランダ・階段・廊下の塗装、水回り設備の修理、排水管の高圧洗浄
11年~15年:屋根・外壁の塗装、水回り設備の交換
また、マンションの場合は管理組合が修繕積立金を徴収しますが、アパートや一戸建ての場合は自分で積み立てなければなりません。
修繕計画と併せて、「積立金がいくら必要なのか」確認しておくことをおすすめします。
【不動産投資の家賃下落リスク】新築プレミアムに要注意!
家賃下落リスクとは、購入時よりも家賃収入が下がるリスクです。家賃下落を考慮して資金計画を立てないと、収入減少で資金繰りが悪化してしまいます。
日本では新築物件が人気のため、相場より高めの家賃設定でも入居者付けが可能です。
しかし、新築時の入居者が退去すると、相場に適した賃料でなければ入居者が集まらなくなります。
想定していた家賃収入を得られず、ローン返済が滞るケースもあるため注意が必要です。
家賃下落リスクへの対策
家賃下落を抑えるためには、中古物件の検討をおすすめします。
新築を検討する場合は、同じ地域の類似物件と比較して相場を見極めることが大切です。
その際は、新築物件同士を比較するだけでなく、築20年・30年の家賃下落率もチェックすると良いでしょう。
まとめ
不動産投資には多くのリスクが潜んでいますが、事前の対策でコントロールできます。
これから不動産投資を始める方、不動産投資でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。