2024年10月10日
不動産投資で失敗する確率は4割!9人の失敗事例で学ぶリスク回避策
大吉不動産山本です。
ところでみなさん、
「不動産投資で失敗する確率って、どのくらいだと思いますか?」
不動産ポータルサイト「健美家」の調査によれば、
大家さん100人のうち
「6割が成功を自認しており、4割が失敗を経験している」とのことでした。
健美家:4割の投資家が「失敗」経験あり。理由1位は「空室の長期化」
以下が主な失敗した理由です。
・空室が埋まらない(約36%)
・修繕費や維持費の想定外の出費がかかった(約31%)
・相場より高く買ってしまった(約30%)
・需要の低い場所にかってしまった(約16%)
失敗の主な原因は「空室の長期化」で、続いて予想外の修繕費用、過大な購入価格、そして不適切な立地となっています。
多くの失敗が、「購入前の情報不足や不充分なリサーチ」に起因しているので、
不動産投資は、事前に対策を講じることができれば、失敗を避け、成功率を高めることができる投資といえます。
不動産投資は「たくさんの失敗事例を知り、適切に備えること」で、成功への確率を高めることができます。
今回長く不動産業にかかわってきた私が、実際に見たり聞いたりしてきた失敗例を9つお話します。
第一章は実際の失敗例、第二章は失敗しないために必要なことをまとめました。
ぜひ参考にしていただければ幸いです。
【不動産投資やめたい】9人の不動産投資失敗事例から学ぶ
1章では、9つの失敗事例を紹介します。
不動産投資でありがちな失敗事例なので、初心者の人はこれを読んで注意するようにしましょう。
不動産投資失敗事例① 利回り60%!なのに一度も入居がつかなかったマンション
【投資家プロフィール】
氏名:Yさん
居住地:東京都
職業:会社役員
年収:1000万円
失敗物件:栃木県の区分マンション
東京都在住のYさんは、インターネットで栃木県の区分マンションを発見し、想定利回り60%という超高利回りに惹かれ購入を決めました。
契約をいそいでいたので、実際に現地で物件を確認せず、Googleマップなどの情報だけで購入したのですが、後にそのエリアでは深刻な駐車場不足の問題があることを知りました。
駐車場を確保することができないので、入居者がなかなか見つかりません。
お部屋をオシャレに内装したり、不動産会社にチラシを配るなどしましたが、一年以上たっても入居者がきまらず結局売却することにしました。
Yさんは現地を訪れて、十分なリサーチをしなかったことを後悔しています。
不動産投資失敗事例② 高い塾代を払って、相場より高い物件を購入
【投資家プロフィール】
氏名:Dさん
居住地:東京都
職業:会社員
年収:1200万円
失敗物件:愛知県にアパート2棟 静岡県にアパート1棟
Dさんは不動産投資に興味がありましたが、まわりに不動産投資について相談できる人がいなかったため、オンラインで見つけた不動産投資塾に参加することにしました。
塾代は年間30万円。
講義の内容は、基本的な不動産投資の知識ではありましたが、
塾生や主催者からの経験談を得られる飲み会は、相談できる環境がなかったDさんにとって、とても価値があるものでした。
しばらくたって「特別なルート」からの情報という塾主催者の勧めで、3棟のアパートを購入をしました。
しかし購入してだいぶ後に、それらが市場価格よりも500万円高かったことが判明。
その塾は、不動産会社から多額のキックバックで儲けている、悪名高い塾として業界内では有名だったそうです。
本で学べるような内容にお金を払って、さらに過剰な価格で物件を購入して、売却できずDさんは後悔するばかりです。
不動産投資失敗事例③ 銀行に嘘の書類を提出、軽はずみな行為が長期の計画を壊す
【投資家プロフィール】
氏名:Mさん
居住地:東京都
職業:会社員
年収:700万円
不動産投資をすぐにでも始めたかったMさんですが、肝心の手持ち資金が不足していました。
そんなとき、友人から紹介された会社を通じて、自己資金0で投資を始める方法を提案されます。
しかしこれには、銀行に嘘の売買契約書を提出する違法行為が含まれていました。
すぐに不動産投資を始めたかったこと、担当者に「みんなやっているので問題ない」と言われ
Mさんはこの提案に乗ってしまいました。
数年後、2件目以降の購入を不動産会社に相談しようとした際、これ以上新たな融資が受けられないなる事実に直面することになります。
今もMさんは物件を購入できていません。
Mさんの条件であれば、今頃2件目、3件目と資産を順調に増やすことができたはずです。
軽はずみな判断が、長期的な計画を狂わせるということを思い知らされることになりました。
不動産投資失敗事例④ 節税ありきで不動産投資をする
【投資家プロフィール】
氏名:Sさん
居住地:埼玉県
職業:会社員
年収:750万円
失敗物件:大田区 区分ワンルームマンション
年収が上がったことから節税に興味を持ちはじめたSさん。
「ワンルームマンション投資で節税対策」という広告にひかれ、不動産会社のセミナーに参加し、2300万円のマンションを購入しました。
初めのころは税金が戻ってくることで節税効果を実感しましたが、その効果は数年で終わりました。
その後は、修繕積立金が3倍に増えたことで、毎月の収支はマイナスに転じ、入居者の退去によるリフォーム費用などで負担が大きくかさんでいきました。
空室の間は、毎月の返済を貯金からとりくずしました。
そのようなストレスに耐え切れず売却を検討しましたが、購入価格より低い市場価格を知り、結局売却せず、毎月のマイナス分の補填と固定資産税の支払いを続けています。
不動産投資失敗事例⑤ AI(人工知能)が選ぶ不動産は完璧?
【投資家プロフィール】
氏名:Nさん
居住地:東京都
職業:会社員
年収:900万円
失敗物件:目黒区 ワンルームマンション
Nさんはテレビなどで報道される年金問題に、不安を感じはじめていたころ、おしゃれな不動産投資の広告に惹かれてセミナーに参加しました。
「人工知能AIが不動産投資に最適な物件を選定する」という最先端の技術に感銘を受け、都内のワンルームマンションを月数千円の赤字で購入しました。
しかし、他の投資家からAIによる選定のラインナップがその不動産会社が提供する範囲にとどまるのではメリットがないこと、キャッシュフローが出ないのでは投資としてうまみがないといわれてしまいました。
Nさんはワンルームマンションの赤字を補填するため、キャッシュフローがでるアパートに戦略を切り替えて物件を探している最中です。。
不動産投資失敗事例⑥ 家賃収入大幅減!どんどん膨らむマイナス収支・・
【投資家プロフィール】
氏名:Kさん
居住地:東京都
職業:公務員
年収:800万円
失敗物件:杉並区 ワンルームマンション
とても人の良いKさんは、職場へのしつこい営業電話に応じ、断れずに杉並区にある3300万円の広めの新築ワンルームマンションを購入しました。
なんと毎月2万円の赤字で不動産投資をスタートすることになりました。
当初はその赤字も、ローン完済後の資産形成と節税・年金対策のためと考えていました。
しかし、3年後に新築時の入居者が退去し、いわゆる新築プレミアムが消失し家賃を下げざるを得なくなり、さらに月々の赤字が5万円に膨らみました。
さすがに売却を検討しましたが、ローン残債が重く売却が困難となり、現在は安いアパートに引っ越して売却の機会を伺っています。
不動産投資失敗事例⑦ サブリース契約で一方的な家賃の値下げ要求
【投資家プロフィール】
氏名:Aさん
居住地:東京都
職業:会社員
年収:1000万円
失敗物件:江東区 ワンルームマンション・新宿区ワンルームマンション
Aさんは不動産投資に関する書籍を見て興味を持ち、ある不動産会社主催である、有名大家さんの不動産投資セミナーに参加しました。
有名大家さんがセミナー講師であることと、家賃保証のサブリース契約に魅力を感じ、その不動産会社で2件の物件を購入しました。
しかし3年後、不動産会社から突然賃料の下落を一方的に迫られ、キャッシュフローのマイナスが2倍に悪化します。
キャッシュフローを改善するために売却を検討しましたが、サブリース会社からの嫌がらせもあり賃料情報が得られず、売却を断念することになりました。
金融機関の融資緩和により借り換えは成功しましたが、売却はまだできていない状況です。
サブリース契約は、実際にはサブリース会社側に有利に作られているんだと後でわかり、Aさんは自身の知識不足を悔やみました。
不動産投資失敗事例⑧ かぼちゃの馬車と狭小アパート
【投資家プロフィール】
氏名:Kさん
居住地:神奈川県
職業:会社員
年収:1500万円
失敗物件:横浜市アパート×2棟・世田谷区かぼちゃの馬車
Kさんは不動産投資への関心から複数のセミナーに出席し、横浜市の新築アパートを高利回りで2棟購入しました。
サブリース契約で家賃保証もついていたのも安心できるポイントでした。
さらに、その当時流行り出した「シェアハウス型アパート」にも投資し順風満帆、キャッシュフローが増加しセミリタイアを考えていました。
しかし半年後、かぼちゃの馬車問題がニュースになり、Kさんも自分のアパートが心配で入居状況を確認したところ、半分も稼働していない事実を知りました。
通常サブリース契約はサブリース会社が家賃がいくらで誰に貸しているのかは見えない場合が多いです。
数か月はサブリース賃料が払われていたので、Kさんはとくに気にしていていませんでした。
その後サブリースも一方的に解約されてしまい、家賃収入も入ってこない状態になりました。
これにより、毎月のマイナスが30万円に膨らみ、利回りの魅力に惑わされたことを後悔しています。
不動産投資失敗事例⑨ やる気のない管理会社・空室がなかなか埋まらない
【投資家プロフィール】
氏名:Nさん
居住地:千葉県
職業:会社員
年収:750万円
失敗物件:大阪府一棟マンション、富山県一棟マンション、千葉県アパート
Nさんは地方のマンションに続き、千葉県で3棟目のアパートを購入し、元の所有者が任せていた管理会社に管理を継続させました。
しかし、空室が続き、なかなか入居が決まらないという状況が続いたので
他の不動産会社に相談したところ、物件をレインズにのせていないなど管理会社の募集活動の怠慢さを指摘されました。
Nさんはすぐに管理会社を変更し、新しい管理会社の積極的な取り組みにより、1週間でほとんどの空室が埋まりました。
管理会社の選択の重要性をあらためて痛感したそうです。
不動産投資で失敗しないための6つの心得
不動産投資で失敗する要因はとてもシンプルなものが多く、はじめに最低限の知識を持っておけば、そう簡単に失敗しないものです。
2章では、失敗しないために特に注意してほしいポイントを説明します。
不動産投資はキャッシュフローを重視する
不動産投資の最大のメリットは借り入れをし、他人の資本で返済しながら家賃収入と返済額の差でキャッシュフローを得ることができるのが最大のメリットです。
あまりに資産性を重視したり、立地重視になりすぎるとそのような物件は利回りが低めになりがちですのでキャッシュフローが少なくなり、返済ができなくなるというパターンに陥ります。
どうしてもキャッシュフローよりも資産性を重視したい方は、自己資金を入れて購入しキャッシュフローを増やすことが大事です。
必ず自分でも調べる
不動産業者の話をすべてうのみにせず、物件価格相場、家賃相場、間取りの需要があるのかは最低限自分でも調べてみましょう。
築浅物件は年数経過による価格の下落が大きい場合があります。
同じエリアの物件を築10年、20年古い物件を検索してみて、販売価格がどのように推移しているかの確認が必要です。
セミナーや個別相談の場で買わない、複数の会社に相談する
「特定の不動産投資会社や投資塾だけに話を聞き、そのまま購入を決めてしまった」
これは失敗事例で、本当~~によく見られる要因です。
不動産会社が売主で物件を販売している場合、その会社のセミナーや個別相談の内容は自社の物件をよくみせる内容である場合が多いです。
終了後にその場で物件を提案され、そのまま物件内見、あれよあれよという間に契約というパターン。高い確率で失敗します。
良さそうに聞こえても、持ち帰って自分で調べて、複数の不動産会社で話を聞いたり、客観的な判断を心がけましょう。
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どのような不動産に投資をするか考える
不動産投資をするうえで、
「ゴールを明確にしてから物件を探していく」ことが非常に大事です。
ご相談に多いのが、限られた収入の中で資産を拡大したいのに、都心の価格が高い区分ワンルームマンションを購入してしまったりするケースです。
ワンルームマンション投資は好立地で物件を購入することはできますが、キャッシュフローが出ませんので、資産を拡大していくことは少し難しいです。
すでに資産をある程度お持ちの方は、区分マンションを現金購入したり、一棟の物件でも立地を重視してみるのも良いと思います。
しかし、限られた資金の中で、これから資産を築いていきたい方は資産性よりもキャッシュフローが大事です。
目的(ゴール)を明確にして手段をまちがわないようにしましょう。
管理会社をしっかり選定する、まかせすぎない
不動産管理会社の質は、実は会社によってピンキリです。
対応が遅いために繁忙期を逃し、空室が長期化するケースもよくあります。
空室期間が長くなるほど収入損失も大きくなります。
管理会社選びの一つの基準は、入居率が95%以上を維持している会社を選ぶことです。
管理戸数が多いことは実績の証ですが、少人数で多くの物件を管理しているとサービスが行き届かない場合もあるので注意が必要です。
加えて、管理会社に全てを任せるのではなく、定期的に状況をチェックし、自分自身でも対策を考えることが重要です。
本を読んで最低限の知識を得る
冒頭の「健美家」によるアンケートでは、
成功者の半数以上が、本を読んで知識を身につけたと回答しています。
下記でたくさんの本の中から源泉したおススメの本をご紹介しています。
悪質な不動産会社や塾、コンサルタントに騙されることがないよう、最低限の知識は身に着けておきましょう。
漫画の「正直不動産」は、不動産業界のグレーな部分がリアルに紹介されていますので初心者の方は読んでおいて損はないでしょう。
まとめ
不動産投資で失敗する方は、ネット等の情報を取り入れて自分自身だけで何が良いかの解釈をして、安易に始めて失敗する方が多く見られます。
不動産は失敗してしまうと、売却も簡単ではなく、軌道修正にとても長い歳月が必要になります。
必ず知識をつけてから購入しましょう。
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