2022年08月20日
サラリーマンが不動産投資で「失敗しやすい」物件について解説します
近年、サラリーマンが副業として不動産投資を始めるケースが増えています。
早期退職をして悠々自適な生活を送りたい人。
あるいは、不景気が続く世の中に不安を感じ安定した副収入を得たい人。
不動産投資を始める理由はさまざまです。
不動産投資で安定した収益を得るためには、収益性のある物件を見極める知識とリスクへの対策が必要です。
今回は、不動産投資をするサラリーマンが失敗しやすい物件の特徴や、物件を購入する前に知っておくべきことについて解説します。
以下の記事では、サラリーマンが不動産投資をするメリットや注意点を解説しているので、こちらも併せてご覧ください。
目次
サラリーマンが不動産投資で失敗しやすい物件の特徴
不動産投資を始める際、物件選びに失敗すると赤字経営が続くリスクが高くなります。
失敗を防ぐために、サラリーマンが不動産投資で失敗しやすい物件の特徴を確認しておきましょう。
キャッシュフローがマイナス
キャッシュフローがマイナスの状態とは、収入よりも支出が多く、経営資金を自己資金から支払わなければいけない状態です。
賃貸経営の収入には家賃収入、共益費、駐車場利用代金などがあります。
支出は修繕費、共用設備の水道光熱費、税金などです。
これらのバランスが悪く支出が多くなってしまう物件を選ばないように注意が必要です。
キャッシュフローがマイナスになりやすい物件の一例として、都内の新築ワンルームマンションがあります。
都内の新築ワンルームマンションは、入居者を募集しやすいというメリットがある一方で、利回りが低く利益が出にくいです。
特に、将来的に賃貸事業の拡大を検討している人で、キャッシュフローがマイナスの場合、銀行からの印象が悪く、追加融資を受けられなくなる恐れがあるので注意してください。
ワンルームマンション投資については以下の記事で詳しく解説しているので、興味がある人は物件を購入前にご覧ください。
相場よりも高額
収益物件を相場よりも高額で購入した場合、周辺の競合物件よりも利回りが低くなります。
利回りが低いということは、投資した額に対して得られた収益が少ないということです。
そのような物件は経営に余裕がなくなり、老朽化による修繕や設備投資ができず、競合物件に比べて見劣りする可能性が高くなります。
また、相場よりも高額で購入した物件は売却時に大きくマイナスになってしまい、結果的に損をするリスクが高いでしょう。
周辺の競合物件の価格と利回りの相場は必ず確認し、相場よりも低い場合は理由を調査することが大切です。
ただし、築古物件の場合はリフォームによって利回りが下がっているケースもあるため、修繕履歴を確認しましょう。
経費がかかりすぎる
安くて高利回りの築古物件でよくあるケースです。
利回りの高さだけに注目して物件を購入すると、購入後にかかる経費で経営が苦しくなる可能性があるため注意が必要です。
安定して賃料収入を得るためには、計画的に修繕やリフォームを行い、物件の価値を保つ必要があります。
安く購入できる築古物件は、価格が安い代わりに購入後に大規模な修繕が必要になることもあるでしょう。
しっかりとリフォームを行わないと周辺の競合物件と比べて魅力がなく、入居者が集まりにくい物件になってしまいます。
入居者が集まらないから賃料を下げる、さらに収益がどんどん悪くなっていきます。
どのような修繕が必要なのかを購入前に判断することは難しいですが、いつ・どんな修繕を行っているのか修繕履歴を確認しておくことが大切です。
サラリーマンが不動産投資をはじめる前に知っておくべきこと
不動産投資で失敗しないために、知っておくべきことをまとめました。どの項目も大切なことなので、一つずつ確認していきましょう。
利回りには複数の計算方法がある
物件の収益性を確認する一つの基準として、利回りがあります。
不動産で一般的に使用される利回りは、表面利回りと実質利回りです。
表面利回り | 年間の賃料収入を物件価格で割ったもの 計算式:年間の賃料収入÷物件価格×100 |
実質利回り | 年間の賃料収入から経費を差し引いた額を、物件価格で割ったもの 計算式:(年間の賃料収入ー年間経費)÷物件価格×100 |
上記の計算方法は、あくまでも基本的なものです。
例えば、表面利回りは、満室時と空室を考慮した場合で基準の賃料収入が異なるため、利回りが異なります。
不動産会社の広告に記載されているのは、空室や経費を考慮しない「満室時の表面利回り」であるケースがほとんどです。
この場合、経費や空室を考慮しないため、実際に賃貸経営する際の利回りよりも高くなります。
経費や空室リスク、賃料下落リスクなどを考慮した上で利回りを計算しておかないと、キャッシュフローがマイナスの物件を購入する恐れがあるため注意が必要です。
利回りは、高いに越したことはありません。
しかし、広告に記載されている利回りは何を基準に計算し、本当にそれだけの収益を得られるのかを慎重に検討することが大切です。
利回りの具体的な計算方法は、以下の記事でご確認ください。
周辺相場
先述の通り、周辺の価格や利回りの相場を把握していないと、物件選びに失敗する可能性があります。
相場はポータルサイトや国土交通省の土地総合情報システムで確認可能です。
条件が似ている周辺の物件や過去の取引事例を確認しておきましょう。
賃貸需要は地域によって異なる
需要のある物件の特徴は、地域によって異なります。
物件の特徴と周辺のニーズが合っていなければ、不動産投資に失敗する可能性があります。
近くにどんな生活施設があるか、どんな人が住んでいるかなど周辺環境を確認したり、不動産会社にヒアリングしたりして情報を集めましょう。
また、現在需要があっても、近い将来に周辺環境が変化して需要がなくなるケースもあります。
逆に都市開発の計画があり、将来的に価値が上がるケースもあるでしょう。
収益物件を選ぶ際に立地は重要なポイントになるので、購入前にできる限り情報を集めておくことが大切です。
「節税」ありきの不動産投資は失敗する可能性が高い
不動産会社の営業担当に「節税できますよ!」とアピールされて、節税のために不動産投資をはじめるサラリーマンは少なくありません。
例えば、損益通算ができることを魅力として営業をかける不動産の営業担当がいます。
損益通算とは、不動産投資で赤字が出た場合、給与所得から赤字分を控除して所得税・住民税を節税できる制度です。
しかし、赤字が出た場合に節税できると言っても、赤字が続くことは賃貸経営として良い状態ではありません。
赤字が続くことを前提として不動産投資を始めると、失敗する可能性が高くなるでしょう。
ただし、税金の仕組みをよく理解しておくと、節税できる可能性があります。
以下の記事では不動産投資に関する税金について詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
起こり得るリスクの情報収集をしておく
不動産投資には空室リスク、滞納リスク、老朽化リスクなどさまざまなリスクがあります。
失敗する人の原因で多いケースは、情報収集不足です。
あらかじめどのようなリスクがあるのかを確認して対策を取っていれば、失敗するリスクを最小限にできるでしょう。
以下の記事では不動産投資のリスクと対策について詳しく解説しているので、不動産投資を検討している人はぜひご覧ください。
賃貸経営者の仕事とは?
サラリーマンが副業として不動産投資を始める場合、本業に支障がでないか不安な人もいるでしょう。
賃貸経営をするためには、入居者の募集から退去までに必要な賃貸管理に関する業務や、共用設備の保守・点検、清掃など建物管理に関する業務が発生します。
しかし、すべての業務は管理会社に委託できるため、賃貸経営を行う際に経営者がするべき仕事は限られます。
管理会社に賃貸経営を委託する場合、具体的には以下の業務が必要になるでしょう。
・修繕、入居者募集時に不動産会社と打ち合わせをする
・空室対策のための施策を検討する
・確定申告をする
確定申告を除くほとんどの作業は、管理会社からの提案に対して確認する程度です。
そのため、本業に支障なく続けられるケースがほとんどです。
ただし、将来的に本業として賃貸経営していきたい場合、管理会社に任せすぎず自分でできることは自分で行うことも大切になります。
賃貸経営を本業として行うことを検討している人には、以下の記事がおすすめです。
まとめ
不動産投資に失敗しないために最も大切なことは、必要な知識を身につけることです。
収入が安定しているサラリーマンは、銀行からの融資を受けやすい、「節税できる」というセールストークに魅力を感じやすい人が多いでしょう。
しかし、不動産会社に言われるまま収益物件を購入することは、失敗の原因になるため注意が必要です。
不動産投資に興味がある人は、本を読む、セミナーに参加するなどで不動産投資の知識を深めることをおすすめです。
以下の記事では不動産投資を始めたい人におすすめの本や、失敗しないための始め方を解説しているので、ぜひご覧ください。