2022年05月12日
【注意】節税メインの営業の罠!不動産投資の正しい節税効果を徹底理解
大吉不動産の山本です!
ここ数年程で一般の会社員の方にも不動産投資が浸透してきましたね。
税金の還付が受けられるなど節税効果が高いイメージもあって、それにかかわるお問い合わせが増えてきています。
しかし、節税ありきで不動産投資を始めることは失敗するリスクにつながる可能性もあります。
今回は、不動産投資の節税効果について、節税ありきの不動産投資の危険性、資産形成として不動産投資は効果的であるのか等について解説しました。
もし、不動産会社の営業マンの「税金が戻ってきます!」のセールス文句で不動産投資を検討しているところだとしたら、ぜひ読んでほしい内容になっています。
最後まで読んでもらえるとうれしいです。
目次
不動産投資をすると所得税と住民税の節税効果がある
結論として不動産投資で節税はできます。
不動産所得が赤字で確定申告をすれば所得税と住民税の還付がうけられることもあります。
不動産所得は家賃収入などの不動産事業で得た収入から必要経費を差し引いたものが不動産所得です。
不動産所得は、給与所得など他の所得と損益通算して課税所得を算出することが出来ます。
たとえばある年の不動産所得がマイナスなら、給与所得と合算したときに、マイナス分が給与所得から控除される形になるので、「税金がもどる=節税になる」というしくみです。
購入して最初の数年は、購入費用や不動産取得税などの費用が多く発生するので、不動産所得はマイナスになりやすい傾向にあります。
税金がもどってくると少し得した気持ちになりますね。
ただ、不動産投資もあくまで「事業」なので、収支がマイナスが続くのであればいくら税金が還付されるとはいえ投資の意味がありません。
普通、事業をするにあたってマイナスが続くのはよくないですし、銀行も融資してくれません。
収支がマイナスのシミュレーションを見せて、「節税ができます」という言葉にうまくいいかえる営業マンにはとくにきをつけたほうがいいです。
節税ありきで検討した結果、収支が悪い不動産を購入し売却しようにもできずに困っているというご相談も増えていますので注意です。
とはいえ、不動産投資は「経費として計上できる」ものがいくつかあります。
正しく計上して「税金を払いすぎない」のも一つの節税対策です。
次の章でしっかり理解しておきましょう。
不動産投資で経費として計上できるもの
ここで、不動産投資において、確定申告の際に経費計上出来るものについて解説します。
減価償却費
不動産投資の経費と言えばこれ、減価償却費です。
減価償却とは、経年によって価値が下がる建物や自動車、機械などの購入費用に対して、購入したときに全額を費用計上せずに、使用期間で分割して一定額を経費とあげていく税務上の制度です。
交際費などのほかの経費とは違い、実際にお金が出ていく費用ではないので、正しく計上することで節税効果を高い費用です。
ただし、不動産において、減価償却ができるのは建物と付帯設備のみです。土地は価値が減るものではないのでできません。
計算方法について詳しく知りたい方は以下の記事
「2 【中古アパート】減価償却の計算方法」を徹底解説を参考にしてください。
ローンの金利
月々のローン返済のうち、元金部分は経費になりませんが、金利部分については経費として計上出来ます。
管理手数料
管理を委託する管理会社に支払う手数料です。
手数料は毎月管理会社から送付される「家賃送金明細」に記載されています。
明細は確定申告のために保管しておきましょう。
仲介手数料・広告宣伝費
新しい入居者を募集する際に発生した、賃貸仲介会社に支払う仲介手数労や広告宣伝費も経費として計上できます。
ほかにも、入居者に家具家電、商品券などをプレゼントした場合ももちろん交際費として計上できます。
修繕費
お部屋の原状回復のためのリフォーム、エアコン故障などの交換費用などです。
管理費・共益費
共益費を家賃の中に組み込んでいる場合には、その分も経費に計上出来ます。
共益費は、一般的に共用部分の水道光熱費や清掃費用に使います。
保険料
不動産投資をする場合、火災保険や地震保険、施設賠償保険に加入しますが、それら保険料も経費の対象です。
税金
不動産投資をするには、購入時にかかる収入印紙代、登記するための登録免許税、物件を購入した年にかかる不動産取得税、固定資産税、都市計画税など税金は計上可能です。
※所得税・住民税・法人税は計上はできません。
その他の不動産事業に係る費用
ご紹介した経費の他、物件購入に関わる交通費、ガソリン代、通信費、司法書士・税理士への報酬、業者とうちあわせなどの交際などが経費として計上出来ます。
不動産経営に関わる出費であれば基本的に経費になりますので、領収証はこまめに保管しておきましょう。
青色申告なら最大65万円の特別控除も【条件あり】
不動産投資で事業的規模と判定されると、青色申告をすることができます。
最大65万円の特別控除が受けられるのでかなり大きいです。
判定の基準は、一戸建てで5棟、マンション・アパートで10室。
該当していれば税務署に「青色申告承認申請書」を提出し、青色申告で確定申告することができます。
複式簿記かつe-tax(電子申告)を行えば65万円の特別控除が受けられます。
複式簿記は少し手間がかかるので税理士に頼むのも一つの手です。
ぼくはちょうど10室で青色申告でやっています。
自分で申告するには難しくないレベルですが、約5~6万円の料金なので税理士さんにお願いしちゃっています。後々税務調査が入ったときにプロが入ったものだと心強いのもあるからです。
所得税以外にも!相続税で節税対策ができる
不動産を購入することによって、現預金をそのまま相続するより相続税を節税する効果があります。
相続税がきまる評価額は、現預金5000万円を相続するならそのまま5000万円です。
しかし5000万円で購入した不動産は路線価や賃貸状況によって評価額が約5~6割、半分ほどの評価額になります。その分相続税も安くなるというわけです。
このように相続税対策で現金を不動産に変えるというのは資産家の間ではオーソドックスな対策法として知られています。
無理な節税は危険!場合によっては脱税に繋がることも
不動産事業で発生した経費以外にも私生活で出た出費など何から何まで経費として計上してしまうなど、無理な節税は、脱税につながってしまいますので注意しましょう。
脱税の疑いを持たれると、税務署の職員による税務調査が行われ、発覚すれば、期間を遡って、追徴課税や罰金が課せられる可能性があります。
それだけでなく、脱税した情報が金融機関に回り、追加の融資が難しくなる場合があります。そうなると事業規模の拡大にも影響を与えかねません。
税務上のルールはとても複雑でたくさんあり、正しい知識を付けるのは大変ですが、不動産を専門とする税理士であれば、適切なアドバイスをしてくれるはずです。
始めたばかりであればそこまで必要ないかもしれませんが、事業規模で増やしたい考えであれば専門機関を利用してみることを検討してみるといいと思います。
ぶっちゃけた話、不動産投資は資産形成に効果的?
ここまで、不動産投資の節税について解説しました。
不動産投資は、資産形成をする上ではとても効果的な投資です。
特に、会社員をはじめ、他に本業がある人が始める投資としてはとても有効です。
最後に簡単に不動産投資の効果について以下にまとめたので是非参考にしてください。
働かなくても収入が得られる
不動産投資は、入居者を確保してしっかり稼働させれば、働かなくても不労所得が入ってくる為、他に本業がある人でも取り組むことが出来る投資です。
入居者の家賃管理や、クレーム処理などの対応は管理会社に委託することが出来きるので、忙しい会社員の副業として適しています。
不労所得なので、老後に身体が弱くなっても問題なく取り組めます。
他人資本で資産形成が出来る
不動産投資は、銀行から融資を受けて物件を購入し、融資の返済を入居者からの家賃収入でまかなうことで、手元資金を使わずに資産形成が出来る資金効率が高い投資です。
銀行融資と入居者からの家賃収入と言う二つの他人資本を利用して資産形成が出来ますので、資金が少ない投資家でも大きな資産を築くことが出来ます。
生命保険効果がある
銀行融資を受ける際に団体信用生命保険に加入すると、投資家本人にもしものことがあった際には、保険でローンがすべて完済されます。
他の保険商品とは違い、月々いくらか収入を得ながら保険効果が見込めます。
投資家によっては不動産投資を始めた段階でほとんどの保険を解約したと言う人もいます。
まとめ
今回は、不動産投資の節税をテーマに解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
節税目的だけで不動産投資を始めるのは、やめたほうがいいということをご理解頂けたのではないかと思います。
収支がマイナスがずっと続いているのに、「税金がもどってきます」とうまく言い換える営業マンには注意してください。
不動産投資は、しっかりと堅実に経営をすれば、将来に向けた資産形成をする上でとても効果的な投資です。
ほかにも初心者向けに、記事を書いていますので参考にしていただけるとうれしいです。