2023年05月02日
不動産投資で自己破産した人の共通点から学ぶ、失敗を未然にふせぐ鍵
「不動産投資に興味があるけど、失敗が怖い」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。
多額の借金を抱えた末破産・・なんて失敗話を聞くと、不安になりますよね。
ここでは、不動産投資による自己破産の原因や自己破産が生活に与える影響、失敗しないための対策について解説します。
目次
不動産投資で「自己破産」はあり得る?
不動産投資に失敗して自己破産する方は、実際にいらっしゃいます。
しかし、自己破産をした方の中で、破産の原因が「投資による借金」の方は多くありません。
不動産投資に失敗した方の中でも、最終的に自己破産する方は極一部だといえます。
それでは、なぜ不動産投資で大きな失敗をしてしまうのでしょうか。
昨今は会社員・公務員の方が資産形成のために不動産投資を始めるケースが増えており、「知識のない状態で始めてしまうこと」が破産の主な原因です。
自己破産できないケースもある
「自己破産」とは、借金を返せなくなった時に、その借金を免責する(帳消しにする)制度です。
ただし、借金を返済できない方が、誰でも利用できるものではありません。
まず、自己破産の手続きをする際の主な条件は以下2つです。
・返済能力がない
・財産の総額<借金の状態
上記の条件を満たした上で、「借金の返済義務を免除しても良い」と裁判所に認められれば返済義務が免除されます。
「破産に陥った原因」によっては自己破産が認められないケースもある点に注意が必要です。
【自己破産が認められないケースの例】
・支払い能力に関して、嘘をついて融資を受けた
・負債の原因が浪費やギャンブルによるもの
自己破産が認められるかどうかは、状況によって異なります。不動産投資を始めた経緯や破産時の状況によっては、認められない可能性がある点に注意が必要です。
不動産投資による破産の根本的な原因
不動産投資で破産する場合、物件・資金計画・不動産会社の3つに問題があるケースがほとんどです。それぞれの原因を解説します。
不動産投資による破産の原因① 物件の選定ミス
不動産投資の利益は、入居者が支払う家賃収入になります。
入居者が集まりやすく、長く入居してくれる物件に投資することが重要です。
需要のない物件を購入して空室が長引き、赤字が続くと破産の原因となります。
不動産投資による破産の原因② 無理な資金計画
自己資金に余裕があり、無理のない資金計画を立てていれば、空室期間を乗り越えられるかもしれません。
裏を返せば、自己資金がない状態で、高額なローンを組んだ場合は、一時的な空室期間で急激に資金繰りが悪化するでしょう。
また、不動産投資では購入時だけでなく、保有時にも経費がかかります。
家賃収入から経費・税金を引いた「手元に残るお金」をシミュレーションしておくことも大切です。
不動産投資による破産の原因③ 不動産会社選びの失敗
不動産会社や投資セミナー選びで失敗し、破産してしまう方もいます。
例えば、税金対策として、短期で複数の物件を勧められて購入するケースがあります。
不動産投資には節税効果があるものの、実際に大きな効果を得られるかどうかは人それぞれです。
自社や営業担当者の利益のために勧められた物件を割高で購入し、赤字経営で苦労する方もいます。
不動産会社選びは慎重に行いましょう。
不動産投資による「破産」はどのように起こる?
「不動産投資で破産する方は、どのように失敗するのか」一例として、よくある流れをまとめました。
【不動産投資に失敗するまでの流れ】
STEP1:利益が出にくい物件を購入する
STEP2:空室が発生する
STEP3:家賃収入でローンを返済できなくなる
STEP4:預貯金や生活費からローンを返済する
STEP5:空室が続き、自己資金でもローンを返済できなくなる
空室が発生すると家賃収入が途絶えるため、本業の収入やプライベートの預貯金で穴埋めします。
しかし、自己資金での返済は長く続かずに、ローン返済が滞るという流れです。
STEP5でローンを滞納すると、金融機関から電話や督促状が届くようになります。
ローン滞納後の流れは状況によって異なるものの、イメージは以下の通りです。
【ローン滞納後のイメージ】
STEP6:金融機関から督促状が届く(滞納から約1ヵ月~)
STEP7:個人信用情報に延滞記録が残る(滞納から約3ヶ月~)
STEP8:ローンの一括返済を求められる(滞納から約6ヶ月~)
STEP9:債権が金融機関から債権回収会社へ移る
STEP10:競売などの手続きが進み、状況に応じて自己破産の手続き
ローン滞納=自己破産ではない
自己破産の手続きは、ローン滞納と同時に行うものではありません。
滞納後には複数のステップがあり、どうしても返済できない場合の選択肢として破産の手続きがあります。
借金を減らすために問題を解決することを「債務整理」と呼び、自己破産は「債務整理」の手段の一つです。
債務整理には、自己破産以外にも、任意整理、特定調停、個人再生といった方法があり、選択肢によって利用できる条件、メリット・デメリットが異なります。
不動産投資が原因で自己破産したらどうなる?
不動産投資が原因で自己破産した場合、生活にどのような影響があるのでしょうか。メリット・デメリットを解説します。
メリット
自己破産のメリットは、本人の返済義務が無くなることです。
ただし、借金が無くなるのは本人のみであり、連帯保証人の債務は残ります。
つまり、借金をした本人が自己破産した場合、金融機関には連帯保証人へ「借金を返してください」と請求する権利があるという訳です。
デメリット
自己破産した場合、借金が無くなる代わりに多くのデメリットがあります。
・周囲に知られる
・財産を失う
・約7年間ローンを組めない
・特定の仕事ができなくなる可能性がある
自己破産の手続きをすると「官報」という政府が発行する広報紙に掲載されます。
20万円以上の財産は、債権者への返済に充てるために差し押さえられ、クレジットカードの発行や新規の借り入れもできません。
また、弁護士、税理士、宅建士など一時的に特定の仕事ができなくなる可能性もあります。
不動産投資による破産、失敗を防ぐ重要ポイント
不動産投資には高額な初期費用がかかりますが、一発逆転のギャンブルではありません。
破産に追い込まれる方がいるものの、正しく計画を立てれば大きな失敗を避けられます。
ここでは、不動産投資による失敗を防ぐためのポイントを解説します。
リスク対策を徹底する
不動産投資で破産する原因のほとんどは、「知識不足」です。
不動産投資にはどのようなリスクがあるのかを知り、事前に対策を取りましょう。
また、不動産投資のリスクは、ある程度、自分でコントロールできます。
例えば、変動金利でローンを組む場合、金利の上昇で返済負担が増えるリスクがあります。
このリスクについては、固定金利を選択する、自己資金を多く準備するなど資金計画の段階で対策可能です。
不動産投資のリスクは、知っていれば回避できるものが多いため、慎重に情報収集しましょう。
「失敗したかな…?」と感じたら早めに専門家へ相談する
「賃貸経営が上手くいかない」「ローンを滞納しそう」など、少しでも不安があれば、早めに不動産会社や金融機関など専門家へ相談しましょう。
ローンを滞納する前のタイミングであれば、空室対策や借り換えなどで財務を改善できる可能性があります。
仮にローン滞納を避けられなくても、金融機関との交渉次第で将来に大きな影響を残さないように売却を進められるかもしれません。
一人で悩まずに、専門家へ相談することが大切です。
パートナー選びは慎重に!
不動産投資に必要な知識は幅広く、高度な専門性も必要です。
自分だけで全てを勉強しようとしても限界があるため、頼れる相談相手を探しましょう。
ただし、不動産会社選びに失敗すると、自分に不利な状態で不動産投資を始めることになります。
信頼できる会社を探す際には、一つだけでなくまずは複数の会社に相談してみてください。
口酸っぱくいいますが、相談するのは事前に不動産の知識をつけてからです!
くれぐれもその順番は間違えないようにしましょう。