2022年08月28日
オーナーチェンジ物件は本当にお得なのか?失敗を防ぐ5つのポイントとは
不動産の広告で、「オーナーチェンジ」と記載されている物件をよく見かけますよね。
オーナーチェンジ物件とは、現入居者を引き継いだままオーナーを変更する物件です。
オーナーチェンジ物件はすぐに家賃収入が得られるなどのメリットがありますが、現オーナーから受け継ぐ義務やオーナーチェンジ物件ならではの注意すべき点もあります。
ここでは、
- オーナーチェンジ物件のメリット、デメリット
- 購入する際のチェックポイント
- オーナーチェンジ物件で起こりやすい敷金のトラブル
などについて解説します。
この記事を読めば、オーナーチェンジ物件選びに失敗しないためのヒントが見つかると思いますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね♪
目次
オーナーチェンジ物件とは
オーナーチェンジとは、現入居者と現オーナーが締結した賃貸借契約を継続したまま、物件のオーナーを変えることです。
オーナーチェンジ物件とは、オーナーチェンジで売買される不動産を言います。
区分マンション、一棟アパート、戸建てなど、オーナーチェンジ物件の種類はさまざまです。
一棟アパートのようにお部屋が複数ある物件は、1人でも入居者がいれば他の部屋が空室でもオーナーチェンジ物件になります。
オーナーチェンジ物件のメリット
オーナーチェンジ物件はメリットが多く、初心者でも始めやすい点が魅力的です。
どのようなメリットがあるのか、解説していきましょう。
運用計画を立てやすい
オーナーチェンジ物件でない場合、入居者を新たに募集するため、どれくらいの収入を得られるか想定しにくいでしょう。
オーナーチェンジ物件は、現オーナーが持っている「賃料を受け取る権利」を引き継ぐため、運用後の賃料収入をあらかじめ想定できます。
また、購入時点で現入居者の居住期間や空室状況など、現入居者の契約状況を確認できるので、実績を参考に運用計画を立てられる点もメリットです。
投資を始めるハードルが低い
不動産投資が初めての場合、家賃設定、入居者の募集などを一から行うことに苦労する可能性もあるでしょう。
オーナーチェンジ物件はすでに入居者がいるため、それらを行う必要がありません。
オーナーチェンジ物件は、少しずつ賃貸経営の経験を積んでいきたい初心者にも始めやすい物件です。
また、オーナーチェンジ物件はすでに居住者がいるため、新たにリフォームやリノベーションをする必要もありません。
そのため、オーナーチェンジ物件は初期費用を節約したい人にも向いている物件です。
物件価格が低く設定されている可能性がある
ファミリー向けのオーナーチェンジ物件は、自己居住用として使用する物件よりも、売買価格が低く設定されていることがあります。
なぜかというと、一般的にファミリー向けの物件の場合は投資用よりも、自宅用として購入する人の方が多くいからです。
そのため、オーナーチェンジで入居者がいる物件よりも、空室の物件のほうが高く売れる傾向があります。
入居者が退去した後、リフォームをして自宅用として売り出すことで、家賃収入だけでなく売却益が得られる可能性もあります。
融資を受けやすい
不動産投資ローンにおいて、主に返済が家賃収入から行われるため、物件の収益性も審査対象になります。
オーナーチェンジ物件はすでに収益化の実績があるため、融資をする金融機関からの評価が高くなる可能性があります。
特に一棟の物件では、入居者が少なかったり全室空室ですと、融資はとても厳しくなります。
最新の融資状況や不動産投資ローン事情は、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
オーナーチェンジ物件のデメリット
オーナーチェンジ物件には、メリットだけでなくデメリットもあります。
3章で購入時の注意点でデメリットをカバーするチェックポイントもくわしく説明しますので併せて確認しましょう。
居住中の部屋を確認できない
高価な買い物である不動産は、現地で内装や設備の状態を確認できることがベターです。
しかし、すでに入居者がいるオーナーチェンジ物件は部屋の内部を確認できません。
現入居者が退去後に内部の傷みや水回り設備の劣化に気が付き、大がかりな修繕費が必要になる可能性もあるでしょう。
賃貸借契約の内容を変更できない
オーナーチェンジ物件は、現入居者と現オーナーが締結した契約内容を引き継ぎます。
賃料設定が相場よりも低いなど、オーナーにとって契約内容が厳しいものになっている可能性があります。
入居者がトラブルを抱えている可能性がある
オーナーチェンジ物件では、すでに入居している人のオーナーになるため、入居者の状況を把握しにくい点もデメリットです。
入居者が家賃を滞納している、近隣とトラブルを起こしているなどの問題がある可能性もあります。
空室リスクがゼロではない
すぐに賃料収入を得られる点がオーナーチェンジ物件のメリットですが、中には満室に見せるためにいったん知り合いを入居させているケースもあるので注意が必要です。
オーナーチェンジ物件の購入で失敗しないためのチェックポイント
オーナーチェンジ物件の購入で失敗しないために、以下のチェックポイントを確認しておきましょう。
- 入居者の契約状況
- 賃貸借契約書の内容
- 物件周辺の賃料相場
- 共用設備の状況
- 管理・運営状況
入居者の契約状況
デメリットでも解説しましたが、オーナーチェンジ物件の中には、入居者にサクラを使って一時的に満室にしている物件も存在します。
そのような物件を購入しないために、入居者の状況を確認しておきましょう。
例えば、以下の点が入居者の契約状況でチェックする際のポイントです。
- ガス、水道、電気メーターが回っているかなど、現地調査で入居者の実態を確認
- 最近契約した入居者ばかりでないかなど、入居者の契約期間を確認
現入居者の入居期間が長ければ、物件の信頼性の確認にもなるので、入居者の契約状況を調査することをおすすめします。
賃貸借契約書の内容
オーナーチェンジ物件では、現オーナーと入居者で締結した契約内容を変更できないため、売買契約の内容だけでなく、賃貸借契約の内容も確認しておきましょう。
賃貸借契約のチェックポイント
- 更新料はいくらか
- 退去時の内装費負担はどのようにするか
- 保証人や敷金の取り扱い
また、賃貸借契約書の書面に記載されていない取り決めを、現オーナーと入居者でしていないかも不動産会社や現オーナーに確認しておくと安心です。
物件周辺の賃料相場
購入予定の物件の家賃だけでなく、物件周辺の賃料相場も確認しておきましょう。
現入居者が長期で入居している場合、賃料の相場よりも高くついてしまっている場合があります。
特に新築時の入居者が退去して次に募集する際には家賃が下がり幅が大きいケースが多いので注意してください。
今の入居者が退去した時に募集できる賃料を調べておくことが大切です。
一棟のアパートや一棟マンションの場合は、複数お部屋がありますので、収益性に大きく影響します。
現入居者が入れ替わっても収益性に問題がないか、返済に問題がないかどうかもみておきましょう。
設備の状況
内見ができないことはオーナーチェンジ物件のデメリットですが、内見ができなくても必ず現地を確認しましょう。
現地周辺を確認することで、物件の状態を把握することができます。
現地確認のチェックポイント
- エントランス、ゴミ置き場などの共有スペース
- 掲示物
- エレベーター、貯水増などの各設備
- 駐車場、駐輪場の空き状況
- 騒音はないか
- 周辺の治安、生活に関する施設は何があるか
エントランスやゴミ置き場が散乱している、掲示物に注意書きが多いなど、住民のモラル低下が懸念されます。
もし自分が入居希望で内見をした際、きれいに管理されていない建物に住みたいとは思わないですよね?
そういう建物はモラルが低い入居者を引き寄せる傾向が高いです。
「投資用だし、自分で住むわけじゃないから」と現地に出向かない方もいますが、僕は必ず見に行くようにお伝えしています。
また、都心では特に大きく気にするものではないですが、地方になってくると駐車場の空きがあるかどうかはかなり重要です。
駐車場の確保ができなかったために、入居付けができず失敗したケースもあります。
↓こちらで失敗事例の詳細が確認できます。
敷地内や周辺で駐車場が確保できるか必ず確認しましょう。
さらに過去の修繕履歴などの資料も確認し、データから現状を把握しておくことも大切です。
どの設備をいつ取り替えたのか、どのくらいの規模の修繕をいつしたのかを確認しましょう。
- 外壁の塗装や防水等
- 有料のインターネットやテレビの設備の有無(一棟物件の場合)
- 室内の修繕履歴の有無
管理・運営状況
現状の管理体制を確認し、管理会社を継続するべきかも検討しましょう。
管理・運営状況は賃貸経営に大きく関わるため、管理会社の存在は大切です。
共用部分の汚れや外観に著しい破損がないか、入居者の家賃滞納有無、滞納があれば対応状況の詳細など、管理・運営が行き届いているか確認しましょう。
管理に問題なければそのまま引き継いでもらうのも、選択肢の一つです。
オーナーチェンジ物件は売主の売却理由にも注意!
オーナーチェンジ物件では、売主の売却理由も確認しておくことをおすすめします。
以下のように、投資物件として価値がある物件を手放すだけの正当な理由があれば問題ないでしょう。
正当な理由の具体例
- 高齢のため管理が厳しい
- 遠方へ引っ越す
- 資金繰りが厳しく一時的にお金が必要
- 資産の入れ替え
- 資産処分
しかし、正当な理由がない場合は、物件や入居者がトラブルを抱えている可能性があるため、注意が必要です。
オーナーチェンジ物件で大切な「敷金」の管理
オーナーチェンジで物件を購入すると、入居者が退去する際の敷金の返還義務も一緒に引き継ぐことになります。
実務に携わっている経験上をお伝えすると、関東と関西では商習慣の違いがあります。
関東では一般的に敷金も新オーナーに引き継ぎますが、関西では引き継がないケースが多くあります。
とはいえ、契約の条件次第によるので、引き継がれるかどうかは前もって確認しておきましょう。
まとめ
オーナーチェンジの物件は、物件購入後すぐに賃料を得ることができるメリットがあります。
しかし、現在の契約状況を引き継ぐというこを忘れず、契約状況の確認等を怠らないようにしましょう。
今回解説したチェックポイントを確認し、後悔のない物件選びをしてくださいね。
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