2022年10月20日
中古マンション購入時の流れ|8つのステップと費用・必要書類・注意点
中古マンションの購入するために、物件探し、資金・必要書類の準備、各種手続きなどするべきことがたくさんあります。
中古マンションの購入に失敗しないために、まずは全体の流れを把握しておくことが大切です。
ここでは、中古マンション購入時の流れを8つのステップにわけて解説します。
ステップごとに注意点やポイントも解説するので、マンション購入時の参考にしてください。
目次
中古マンション購入時の流れ【準備・購入から入居まで】
中古マンション購入時の流れは、以下8つのステップです。
全体像をなんとなくイメージしていただけましたか?
次の章から各ステップごとに詳細と注意点などを解説するので、中古マンション購入時の参考にしてください。
STEP① 優先順位を決める
中古マンションを購入する前に、「譲れない条件」を整理しておきましょう。
マンションは高価な買い物です。中古マンションを購入して「どのような暮らしを実現したいのか」について、家族でしっかりと話し合うことが大切です。
【優先順位を検討する際の具体例】
・間取り
・設備
・周辺環境
・日当たり
・階数、部屋の位置
STEP② 計画を立てる(予算・期間)
マンション購入時の予算は限られているため、理想が叶わないこともあります。希望の住まいは現実的に実現可能かどうかを検討しておきましょう。
また、住環境の変更は容易ではありません。引っ越しをスムーズに行えるように、入居までにかかる期間を確認しておくことも大切です。
中古マンションの購入から入居までの期間の目安は、約2~3ヶ月です。
ただし、以下のように個別の事情によって、1ヶ月程度で引き渡しが完了するケースもあれば、半年以上かかるケースもあります。
・買主の住宅ローン審査の状況
・売主の希望
・リフォームの有無
中古マンションは売主が入居中に売り出すケースが多いため、売主の事情によって期間が大きく異なります。
焦って購入すると失敗の原因になるので、余裕を持って計画を立てましょう。
中古マンションの購入にかかる費用
中古マンションの購入に必要なお金は、マンションの本体価格と諸費用です。諸費用には、以下の項目があります。
中古マンションを購入する際は、マンション本体価格と諸費用の合計額を、自己資金+住宅ローンで賄うことになります。
注意点は、住宅ローンを利用する場合でもローンの頭金や諸費用のために現金が必要な点です。
また、物件の購入価格をローンに頼り過ぎると、マンション購入後の返済で生活が苦しくなる恐れがあります。
まとまった資金を計画的に用意しておくことが望ましいでしょう。
中古マンションの場合、「リフォーム済みの物件を購入する」「購入後にリフォームする」といった選択肢があります。
リフォームの要否で購入時の流れや予算が大きく変わるため、早い段階で検討しておきましょう。
中古マンション購入時の予算の考え方
中古マンション購入時の予算を決める際、以下の3つがポイントです。
【予算決めのポイント】
・数ヶ月分の緊急生活費を手元に残す
・家計の収支を整理する
・購入時に支払うお金の役割を知っておく
マンションを購入する際、預貯金のうち、離職や病気等、緊急時のための生活費を手元に残しておきましょう。
また、希望の融資額を検討する場合、「年収〇倍までなら融資を受けられる」という考え方があります。
しかし、借りられる額と実際に返済できる額は別物です。
希望の融資額は、それぞれの家計に合わせて検討することをおすすめします。
マンション購入後には維持費がかかりますし、子どもの成長に合わせて支出が増える可能性もあります。
支出のバランスが現在と同じとは限らないため、将来を見越して検討することがポイントです。
計画の段階では正確な費用の算出が難しいため、現状の収支を把握しておき、不動産会社へ相談する際に具体的な資金計画を立てましょう。
【購入時に支払うお金の役割】
マンションの購入時に支払うお金には、「諸費用」と物件の購入代金に充当する「頭金」があります。
諸費用とは、先ほど解説した仲介手数料や各種税金のことです。
頭金とは、マンションの本体価格から融資額を引いた残りの金額です。融資額が大きいほど利息の負担が増えるため、頭金を増やすことでローンの返済負担を軽くできます。
また、売買契約時に売主へ預けるお金として「手付金」があります。手付金は、取引成立の際に物件価格へ充当される仕組みです。
マンション購入時の自己資金として準備するお金は、上図のように頭金+諸費用になります。
STEP③ 情報収集(相場の確認・不動産会社探し)
希望する中古マンションの方向性が定まったら、必要な情報を集めましょう。
【情報収集する項目の具体例】
・マンションの相場
・仲介を依頼する不動産会社
ここでは、相場を知るべき理由や不動産会社選びのポイントなど、情報収集時に役立つ情報を紹介します。
【重要】マンションの相場を確認するべき理由
不動産は地域や物件の種類によって相場が決まっていますが、売り値を決めているのは売主です。
売主によっては相場よりも高く売り出しているケースがあるため、割高なマンションを購入しないように相場を把握しておくことが大切です。
レインズ・マーケット・インフォメーションでは、過去の成約価格が公開されています。相場を確認する際の参考になるので、活用してみてはいかがでしょうか。
中古マンション購入時の不動産会社の役割
中古マンションの購入時は、不動産会社へ取引の仲介を依頼します。新築の分譲マンションと中古マンションでは、以下の通り不動産会社の役割が異なりますので、確認しておくと良いでしょう。
【不動産会社の役割の違い】
新築の場合:ディベロッパーと呼ばれる不動産会社が直接売り出すケースがほとんどです。不動産会社の役割は仲介ではないため、仲介手数料がかかりません。
中古の場合:個人である売主が、不動産会社を経由して売却するケースが一般的です。売主と買主の取引を不動産会社が仲介するため、仲介手数料がかかります。
不動産会社選びのポイント
不動産ポータルサイトで一般公開されているマンションは、基本的にどこの仲介会社でも対応してくれます。不動産会社は大切な住まい探しの依頼先となるため、慎重に検討しましょう。
【不動産会社選びのポイント】
・営業担当者が誠実に対応してくれる
・マンションの知識が豊富
・希望するエリアで取引の実績がある
不動産会社は、レインズと呼ばれる不動産事業者向けのポータルサイトで情報を共有しています。つまり、全国どこの不動産会社も同じ情報を得られます。
信頼できる不動産会社を探したい方は、営業担当者の誠実さやマンションに対する知識の豊富さ、希望するエリアでの実績などを中心に比較しましょう。
STEP④ 不動産会社へ相談する
仲介を依頼したい不動産会社を探したら、「媒介契約」という契約を締結します。媒介契約とは、不動産取引の仲介を正式に依頼するための契約です。
営業担当者に希望を伝えると、希望に合った物件を紹介してくれます。また、インターネット上には多くの広告が掲載されているので、自分で情報収集してみるのも良いでしょう。
STEP⑤ 物件探し・内覧
不動産会社が紹介してくれる物件を気に入ったら、内覧に進みます。中古マンションは築年数や管理状態によって物件の状態が異なるため、必ず内覧しましょう。
中古マンションを内覧する際のポイント
中古マンションを内覧する際のポイントを以下にまとめました。あくまでも一例ですが、内覧時の参考にしてください。
<専有部>
・窓からの眺め
・風通し、日当たり
・間取り
・生活動線(キッチン、浴室、洗面所)
・各種設備の仕様(水回り、冷暖房)
・収納スペース
<共用部>
・清潔感(エントランス、ゴミ置き場、廊下、各種設備)
・セキュリティー
・エレベーターの数
・駐輪、駐車場の有無
・管理規約
中古マンションを内覧する際は、専有部だけでなく、共用部の管理状態もチェックしましょう。
また、立地や建物が希望通りでも、管理規約によって理想の生活が実現しない場合があるため、管理規約の確認も重要です。
たとえば、マンションにはリフォームに関する制約があります。購入後にリフォームを検討していても管理規約や構造の問題で希望が叶わない可能性があるため、事前に不動産会社へ相談しておきましょう。
STEP⑥ 購入の申し込み・住宅ローン事前審査
売主に購入の意思表示をするために「買付証明書」を提出します。
買付証明書とは、希望価格、代金の支払い方法(ローンの有無)、その他希望条件等を記載する書類です。
買付証明書は、あくまでも「買主が購入の意思表示をするための書類」であり、売買契約書とは異なります。
不動産取引では、買主が条件を提示して、売主が個別交渉するかどうか判断するといった流れです。売主が交渉に応じた場合、条件を調整し、両者が納得した条件で契約が成立します。
このタイミングでローンの事前審査を行うため、融資先の金融機関を検討しておく必要があります。
STEP⑦ 不動産売買契約・住宅ローン本審査
不動産売買契約を締結する前に、不動産会社が「重要事項説明」という説明を行います。重要事項説明とは、物件や取引に関する重要事項をまとめたものです。
重要事項説明を受けたら売買契約を締結し、住宅ローンの本審査を行います。
売買契約時の必要書類・費用
売買契約時の必要書類・費用等は以下の通りです。
【売買契約時に必要なもの】
・実印
・身分証明書
・収入印紙代
・手付金
・仲介手数料の一部
収入印紙代は、不動産売買契約書に収入印紙を貼付するための費用です。手付金や仲介手数料の金額は、事前に取り決めをしますので不動産会社へご確認ください。
STEP⑧ 残金決済・引き渡し
住宅ローン本審査後に契約手続きを行い、売主の引き渡し準備が整ったら残金決済・引き渡しを行います。当日に所有権移転登記・売買代金の決済を行うことで、取引が完了します。
引き渡し時の必要書類等の具体例をまとめましたので、以下を参考にしてください。
【引き渡し時の必要書類等】
・身分証明書
・実印
・住民票
・印鑑証明書
・各種費用
中古マンションの購入後にかかる費用・税金にも注意
中古マンション購入後にも、維持費や各種税金がかかります。購入後のお金についても確認しておきましょう。
【毎月の維持費】
・管理費
・修繕積立金
・駐輪、駐車場代
【税金】
・固定資産税(毎年)
・不動産取得税(一度のみ)
購入時の管理費、修繕積立金、固定資産税については、引き渡し日を基準に売主と買主で精算します。
それ以降は所有者としての支払い義務が生じるため、予算を組む際に目安を確認しておくと良いでしょう。
不動産取得税とは、不動産を取得した人に課税される地方税です。不動産購入後に送られてくる納税通知書に従って納付します。
ここでは、中古マンション購入時の大まかな流れを解説しました。記事ではお伝えしきれていないこともたくさんあるので、「もっと知りたい!」という方はお気軽に大吉不動産へご相談ください。