2023年04月11日
不動産投資の詐欺!被害者5人に学ぶ、手口と騙されやすい人の共通点
不動産投資を悪用した詐欺の被害者は、後を絶ちません。
詐欺の被害にあわないためには、手口を知ることが重要です。
ここでは、5人の架空の登場人物を例に、詐欺の手口と注意点を解説します。
目次
【不動産投資の詐欺】事例1:サクラを利用した物件
Aさん(40代男性・会社員)
Aさんは、将来に漠然とした不安を抱いていました。
「老後の生活は年金だけでは厳しそうだし、家賃収入で余裕のある暮らしがしたい」と考え、不動産投資セミナーで知った営業担当者へ相談。
Aさんが相談すると、営業担当者から「満室・高利回り」の一棟アパートを提案されました。
条件の良さに惹かれたAさんは、購入を即決。
ところが、Aさんが購入した直後、アパートからの退去が続き、半数以上が空室になってしまいました。
入居者の偽装に注意
不動産投資用の物件広告の中には、入居率を高く見せるため、一時的に売り手や不動産会社の関係者を入居させるケースがあります。
物件を検討する際、レントロールに隠された違和感を「察知」できると、詐欺の被害を回避できます。
以下でも詳しく説明しています、危機管理能力を高めるためには事例にたくさん触れることも一つです。
【不動産投資の詐欺】事例2:高額な融資を引くための書類偽装
Bさん(20代女性・会社員)
Bさんは、コツコツ貯めていた貯金を有効活用したいと考えて、不動産投資に興味を持ちました。
ある日、不動産会社の営業担当者から電話があり、「節税できる」「資産になる」など魅力的な案内を受け、新築ワンルームマンションの購入を決意。
社会人になってから10年に満たないBさんは、年収がそれほど高くありません。
しかし、営業担当者によると「ローンを組めば購入できる。返済額は家賃収入で賄えるから大丈夫」とのことでした。
Bさん自身も「家賃収入があるし、ローンを返済できるので」と感じて手続きを進めました。
Bさんが物件を購入した条件は、以下の通りです。
・Bさんの年収360万円(月収30万円)
・物件価格4,000万円(新築ワンルームマンション)
・物件の利回り5%
・借入金4,000万円(金利2.5%)
・返済期間30年
空室が続いてローン返済が困難に…
Bさんが契約を締結する際、不動産会社が準備した複数の書類に署名と捺印をして、融資審査に通過しました。
中にはよく分からない書類もありましたが、手続きで頭がいっぱいだったため、確認せずに契約。
実際に不動産投資を始めると想定外の費用がかかり、手元にお金がほとんど残りませんでした。
Bさんの購入条件は、物件価格4,000万円に対して利回り5%。入居者がいる限り、年間200万円の家賃収入を得られます。
しかし併せてBさんにはローン返済で年間189.6万円の支出があり、その他にも不動産会社へ管理委託費などを支払うと、手元にお金が残りません。
数年後購入時の入居者が退去、繁忙期をすぎていたので新しい入居者が決まるまで時間がかかりました。
Bさんの収入から、ワンルームマンションの返済額15.8万円を支払い続けることは難しく、ローン破綻してしまいました。
不動産会社がローン審査書類を偽装するケースも
Bさんのケースの問題点は、Bさん本人の年収や物件から得られる収入に対して返済の負担が大きかった点です。
不動産投資に関する詐欺には、不動産会社がローンの審査書類を偽装するケースがあります。
例えば、金融機関へ提出する源泉徴収票や預金通帳の数字を改ざんし、本来は借り入れできない融資額の審査に通ってしまうケースです。
また、このようなケースでは金融機関を騙して融資を受けるため、Bさんが知らないうちに詐欺に加担してしまうのです。
詐欺の被害にあわないためには、用途の分からない書類にはサインしないことが重要です。
また、不動産投資では家賃収入を得られないリスクがあります。
空室が続いても返済が続けられるかどうか、慎重に検討しましょう。
【不動産投資の詐欺】事例3:手付金を騙し取る
C さん(30代男性・公務員)
以前から余剰資金で、不動産投資を始めたいと考えていたCさん。
そんななか異業種交流会で知り合った不動産投資家の男性に、不動産営業マン紹介され会うことにしました。
その営業マンに不動産投資を相談したあと、都内の人気エリアにあるマンションを紹介されました。
このエリアではなかなか売りに出ない物件なので急いだほうがいいといわれました。
チャンスを逃したくないCさんは翌日、売買代金5,000万円× 20%の手付金1,000万円を支払い契約。
後日、契約の進捗状況について不動産会社へ確認しようと連絡を試みましたが、電話がつながりませんでした。
契約時の手付金は一般的。ただし…
契約時に手付金を支払うことは、不動産取引の慣習として一般的です。
ただし、物件価格が高額な不動産ほど手付金の金額も高くなります。
不動産会社の信頼性をしっかりと確認した上で、手続きを進めましょう。
【不動産投資の詐欺】事例4:相手の心理を利用する悪質な手口
Dさん(40代女性・会社員)
Dさんは、婚活サイトで知り合った男性と意気投合して、何度か食事へ出かけるようになりました。
男性は金融関係の仕事をしているらしく、熱心に投資の話をする姿が好印象でした。
ある日、男性から「Dさんは不動産投資に向いている」といわれ、少しずつ興味を抱きました。
Dさんには投資経験がありませんでしたが、男性との距離を縮めたい一心でワンルームマンションへの投資を決意。
男性に紹介された不動産会社と契約を結び、売買代金を支払いました。
ところが、売買代金の決済後、男性とは音信不通に。婚活サイトのアカウントからも男性のプロフィールが削除されていました。
後日、購入した不動産の査定を他の不動産会社へ依頼したところ、相場よりも高額だったことが発覚。
Dさんには数千万円のローンが残ってしまいました。
「デート商法詐欺」の被害が増えている
Dさんのようなケースは「デート商法詐欺」といわれています。
不動産投資を悪用したデート商法詐欺の被害者は、近年、増加傾向です。デート商法詐欺は以前から存在し、不動産投資以外にも宝石など高額商品が対象でした。
デート商法詐欺では、「信頼していた相手に騙された」という被害者のショックが大きく、発覚が遅れる傾向にあります。
不動産売買契約を締結後、詐欺の発覚が遅れると契約解除が難しくなる可能性があるため、注意が必要です。
【不動産投資の詐欺】事例5:退職金を狙った架空の投資話
Eさん(60代男性・無職)
Eさんは、40年以上勤めていた会社を定年退職しました。
老後資金として受け取った退職金を有効活用したいと考え、投資先を探すことに。
そんな中、自宅に「海外不動産に投資しませんか?」と勧誘の電話がありました。
話を聞くと、「一般には公開されていない特別な案件で、投資先はA国の不動産」「A国は世界的に有望な投資先であり、今のうちに投資しておけば、大きな利益を得られる」とのことでした。
Eさんには、A国の事情や不動産投資に関する知識はありませんでした。
しかし、魅力的な話だと感じて詳細を確認せずに投資を決意し、資金を振り込みました。
振り込み後、投資話を持ち掛けてきた業者とは連絡が取れなくなり、不動産が手に入ることはありませんでした。
「あなただけに特別」「必ず儲かる」など甘い言葉に注意
一般的に、条件の良い投資話を個別に勧誘することはありません。
本当に好条件であれば、自ら営業する必要がないためです。「不動産投資で必ず儲かる」といわれたら詐欺を疑いましょう。
【5人の共通点から学ぶ】騙されないために最も大切なこと
ここで紹介した5人に共通するのは、「十分な知識がないまま不動産を契約してしまった」点にあります。
詐欺にあわないまでも、不動産営業マンの言葉にのせられて、利益にならない不動産を購入し失敗してしまったケースは多く見受けられます。
詐欺の被害にあわないためにも、事前に本などで勉強し、複数の不動産会社に相談するなどして情報収集しましょう。
大吉不動産ではほかにも様々な不動産知識にまつわる情報を発信しています。ぜひ参考にしてみてください!