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2023年06月18日

「不動産投資が税金対策になる」は嘘?本当?節税の仕組みを徹底解説

今回は「節税目的メイン」で不動産投資をしようとしている方向け

結論として不動産投資で税金対策はできます。

ただし!節税の仕組みをよく理解しないまま、営業マンに言われたからと不動産投資を始めてしまうのは非常に危険です。

場合によっては節税効果を

今回は、不動産投資でできる税金対策の仕組みと、節税効果を最大限に生かせるケースについて解説します。

「不動産投資は税金対策になる」のは本当、ただし…

不動産投資は税金対策になります。

節税効果を最大限に発揮できるケースは、

「課税所得が年900万円以上の人で築22年以上の木造物件を購入した時」

になります。

正直、それ以外で節税をおもな目的として不動産投資を始めることは、おすすめできません。

なぜなら、投資金額に見合った節税効果を得られないだけでなく、資金繰りが厳しくなってしまう恐れがあるためです。

不動産会社の営業担当の中には、不動産投資による税金対策に向いていない人へ、節税を強調して物件を勧める人もいます。

本来、不動産投資は資産形成の手段として行うものです。

一般的には、不動産投資は節税目的ではなく利益を得るためにはじめるということは忘れないでください。

事業として、利益が出ているから税金を納めるわけです。

次章から、不動産投資の節税の仕組みを理解していただき、あなたが「節税目的としての不動産投資に向いているか」どうかの参考にしていただければと思います。

税金対策としてではなく、資産形成として不動産投資を始めたい人には以下の記事がおすすめです。

 

【不動産投資でできる税金対策】節税のしくみをわかりやすく解説


不動産投資は、所得税・住民税・相続税の税金対策として有効的な手段の一つです。

また、場合によっては法人化によって節税できることもあります。

それぞれの節税の仕組みを順番に解説しましょう。

 

所得税:減価償却費・損益通算で節税

不動産投資による所得税の節税を端的に説明すると、減価償却費を利用して損益通算することです。

給与所得者が不動産所得で赤字を作り、損益通算によって源泉徴収された税金の還付を受ける仕組みです。

この仕組みを理解するためには、所得税の仕組みや減価償却費について理解する必要があるため、順を追って解説しましょう。

還付の仕組みについては、記事の後半で解説します。

 

【所得税とは?不動産投資による税金対策との関係】

所得税とは、個人が所得を得た時にかかる税金です。

日本の所得税は累進課税という仕組みで、所得が高くなるほど税率が高くなります(最大税率45%)。

所得が高い人ほど所得税の負担が大きくなるため、不動産投資でかかった経費で所得を抑えることで税金の負担を軽くする仕組みです。

不動産投資家にとっての所得とは、収入から以下のような費用を差し引いて計算される金額になります。

  • 減価償却費
  • 修繕費
  • 固定資産税
  • 損害保険料
  • 管理手数料
  • ローンの金利(元本部分は経費になりません)

 

ただし、経費を計上すれば所得税の節税につながりますが、多くの経費は実際に支出が発生するため手残りも減ってしまいます。

そこで節税に大きく貢献してくれるのが、次に解説する減価償却費です。

減価償却費は他の経費と違って、実際に支出が発生していなくても経費計上できるため、不動産投資家の強い味方になります。

 

不動産投資家の強い味方「減価償却費」とは?

減価償却費とは、建物の価値が下がった分を経費として計上する際に利用する勘定科目です。

建物のように、金額が大きく長期間使用する物は、購入時にまとめて経費計上せず、何年かに分けて少しずつ処理します。

減価償却費は、実際にお金を払っていなくても経費として計上できるため、課税対象の所得を減らす際に大きく貢献します

ただし、減価償却できるのは建物のみで、土地は対象外な点にご注意ください。

減価償却費の金額によっては、賃貸経営で得た所得を赤字にして会社員の給与所得を減らすことも可能です。

このように、赤字になった所得を他の所得と相殺できる仕組みを損益通算と言います。

 

損益通算で節税できる仕組み

損益通算とは、ある所得で赤字が発生した場合、他の所得と相殺できる制度です。

たとえば、不動産所得で100万円の赤字になった場合、給与所得400万円から控除して所得を300万円に減らせます

所得は給与所得や事業所得のように10種類に分類され、他の所得と一緒に税金を計算する「総合課税」と、他の所得と分けて計算する「分離課税」に分かれます。

会社員の給与所得や賃貸経営者が得る不動産所得は、「総合課税」です。総合課税は、所得が赤字になった場合にマイナスの分だけ他の所得から控除できます。

つまり、給与所得者が減価償却費を利用して不動産所得の赤字を作り、損益通算によって本業の給与所得を減らすことで所得税の負担を軽くできるという訳です。

 

住民税:所得を減らせば住民税も節税できる

不動産投資で住民税を節税できる仕組みは、所得税と同じです。

住民税は前年の所得金額に対してかかる税金のため、経費を計上して所得を少なくすると納める税金の負担も軽くなります。

また、住民税と所得税はセットにされることが多いため勘違いされやすいですが、所得税と住民税は納税先が異なります。

所得税は国に納める国税、住民税は1月1日時点で住所がある都道府県や市町村に対して納める地方税です。

税率は自治体によって異なりますが、10%のケースが多くなっています。

 

相続税:現金よりも評価を下げて節税できる

不動産投資が相続税の税金対策となる仕組みは、現金よりも不動産の方が評価が低くなるためです。

相続税は、相続した遺産に対してかかる税金のため、相続した財産の評価が低い方が納める税金の負担が軽くなります。

たとえば、預貯金と不動産で遺産を相続する場合を比べてみましょう。

・預貯金5,000万円の遺産を相続した場合

→そのまま5,000万円として評価され、5,000万円から基礎控除額を差し引いて相続税を計算します。

・時価5,000万円の土地や建物を相続した場合

→不動産は時価の7~8割程度で評価されるため、3,500万円~4,000万円から基礎控除額を差し引いて相続税を計算します。

不動産投資が相続税の税金対策となるポイントは、不動産は時価ではなく相続税評価額(土地の場合)や固定資産税評価額(建物の場合)を基準に評価されることです。

時価(実勢価格)とは、一般的な不動産取引で用いられる不動産の基準価額、相続税評価額や固定資産税評価額とは、税金を計算する際に用いられる基準価額です。

一般的に、相続税評価額や固定資産評価額は時価よりも低く設定されているため、不動産による相続は現金で相続する場合よりも節税につながります。

 

法人化による所得税の節税

先ほど、個人の所得税は累進課税(最大税率45%)と解説しました。

不動産を法人化した場合、法人税率が適用されるため個人の所得によっては節税できる場合があります。

以下の表は、個人の所得税・法人税の税率をそれぞれまとめたものです。

 

所得税の税率(個人)

課税所得金額 税率
~194.9万円 5%
195万円~329.9万円 10%
330万円~694.9万円 20%
695万円~899.9万円 23%
900万円~1,799.9万円 33%
1,800万円~3,999.9万円 40%
4,000万円以上 45%

 

法人税の税率(普通法人の場合)※平成31年4月1日以降

資本金1億円以下の法人 年800万円以下の部分 15%
年800万円超えの部分 23.2%
  上記以外の普通法人 23.2%

 

個人の所得税率は最大45%、法人税の税率は最大23.2%のため、個人の所得税率よりも法人税率の方が低くなる場合、法人化した方が節税できる仕組みです。

たとえば、所得が1,000万円だとします。個人の場合は所得税の税率33%、法人の場合は法人税の税率15%~23.2%です。

このケースでは、法人化した方が税金の負担が軽くなる場合があるでしょう。

ただし、所得税は扶養控除、配偶者控除、医療費控除といった各種控除を考慮した上で計算するため、同じ所得でも実際に納める税額は個人によって異なります。

法人化には一定のコストもかかるため、法人化するかどうかの判断は慎重に行うことが大切です。

不動産投資による節税効果を最大限に生かせるケースとは?

不動産投資による節税効果を最大限に生かせるケースは、以下2つの条件がそろった時です。

  • 課税所得が年900万円以上
  • 築22年以上の木造物件を購入

上記のケースで節税効果を最大限に生かせる理由を理解するためのポイントは、還付金・譲渡所得税・減価償却費の考え方にあります。

不動産投資にかかる税金は、購入時・保有時・売却時に分けられますが、前章で解説した所得税・住民税の税金対策は主に保有時の話です。

保有時の所得税・住民税の還付を多く受けられるケース、その際に節税した税額と譲渡所得税の差額が大きいケースほど節税効果が高まります。

また、木造の築古物件は一度に計上できる減価償却費が大きくなりやすいため、保有時と売却時の差額をより大きくできる可能性があります。

ここでは、不動産投資の節税効果を最大限に生かせるケースについて理解を深めるために、還付金・譲渡所得税・減価償却費の考え方に焦点を充てて解説しましょう。

 

「確定申告で税金が戻ってくる」還付の仕組み

給与所得を得ている会社員は、年収や扶養家族の有無などに応じて所得税を源泉徴収されます。

しかし、源泉徴収される税額は、副業で生じた赤字や医療費など、個別の事情による控除が考慮されていません。

不動産投資の税金対策による還付とは、確定申告をして、すでに源泉徴収されている所得税と最終的に納めるべき所得税の差額が戻ってくることです。

冒頭からお伝えしている通り、給与所得が高い人ほどその差額が大きくなり、還付される金額も大きくなる可能性があります。

 

節税のカギは還付金と譲渡所得税額の差

不動産投資の税金対策に関連する税金には、保有時にかかる所得税の他にも売却時にかかる譲渡所得税があります。

譲渡所得税とは、不動産を売却して得た利益に対してかかる所得税・住民税のことです。

ここまでの内容を踏まえると、このように考える人もいるでしょう。

「売却時に譲渡所得税がかかると言うことは、保有時の税金対策は節税ではなく納税を先延ばしにしているだけなのでは?」

そこで考慮するべきことは、譲渡所得税と保有時に節税できる税額です。

本当の意味で不動産投資による節税をするためには、保有時に節税できる税額が売却時に納税する譲渡所得税を上回っているかどうかがポイントになります。

(保有時に節税できる税金>売却時に納める税金の状態)

個人の所得税・住民税の税率は最大55%、譲渡所得税の税率は最小20%なので、この差が大きいほど不動産投資による節税効果が高くなる仕組みです。

 

譲渡所得税の税率

  所得税 住民税
短期譲渡所得(所有期間5年以下) 30% 9%
長期譲渡所得(所有期間5年超) 15% 5%

 

木造築古物件の節税効果が高い理由

木造築古物件の節税効果が高くなる理由は、一度に経費計上できる減価償却費が大きくなりやすいためです。

減価償却費を計算する際、物件価格を耐用年数で割って計算しますが、新築と中古では計算方法が異なります。

減価償却費が大きくなる際のポイントをざっくりまとめると、以下の通りです。

・鉄筋コンクリート造よりも木造の方が耐用年数が短いため、1年間に計上できる減価償却費が大きくなる

・減価償却費の計算上、新築よりも築古物件の方が減価償却できる期間が短くなるため、1年間に計上できる減価償却費が大きくなりやすい

よって、減価償却費を大きく計上したい場合、木造の築古物件を購入することが一番効果が高くなります。

ただし、木造築古物件は年間の節税効果が大きくなる分、減価償却できる期間が短くなります。減価償却費を計上できなくなると、所得が一気に増えて税金が高くなるため注意が必要です。

減価償却費を利用した不動産投資の税金対策を検討している人には、以下の記事もおすすめです。

 

まとめ

不動産投資による税金対策では、給与所得が高い人が木造の築古物件を購入するケースで最も高い節税効果を得られます。

そのような人にとって、不動産投資による税金対策は有効的な手段の一つです。

しかし、本来、不動産投資は資産を形成するために行うものです。安定して資産形成することを優先すると大きな失敗を防げるでしょう。

やり方がわからない…という人は、いつでも当社でご相談を承っているのでぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

代表 山本

大吉不動産株式会社 代表取締役 2005年より不動産業に携わり、自らも区分のワンルームマンション投資や一棟アパート投資を実践している。 多くの不動産投資成功者を見る一方、初心者の失敗相談も多く受ける中、失敗する方を減らすため情報を提供しつつ、これから不動産投資を始める初心者の方を中心に不動産投資のいろはをお伝えしております。

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