2021年04月29日
不動産投資12のメリットとは?デメリットとリスク対策で失敗回避
不動産投資は、比較的リスクを抑えながら収益を得られるとして人気の投資手法です。
多くのメリットがあり、リスク対策を適切におこなえば、初心者でも利益の確保が期待できます。
ただしデメリットもあるため、なかには「不動産投資は危険」と思っている方もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、不動産投資の12のメリットに加えて、デメリットとリスク対策についても解説します。
とくに、不動産投資に興味のある方や、これからはじめてみたいと考えている方は参考にしてみてください。
目次
不動産投資をやる12のメリット
不動産投資は多くのメリットがあり、リスクを抑えながら長期的に利益を上げ続けられる投資手法です。
では、不動産投資の13のメリットについて解説していきましょう。
安定的な収入を確保できる
入居者がアパートやマンションの部屋を借りる際、年単位で借りるのが一般的です。
不動産投資では、一度入居者が決まれば長期的に家賃収入を得られるほか、賃料が大きく下がるケースも少なく、安定的な収益の確保が期待できます。
また、他の投資と異なり手間もかからず、サラリーマンの副業としても有効的な投資手法です。
本業で働きながら収益を得ることも可能であり、手軽に収入を増やしたい方に人気があります。
さらに、経営が軌道に乗れば独立の道も開けるうえ、利益を新たな投資に回せば収益拡大も図れるでしょう。
不労所得として家賃収入を得られる仕組みを構築すれば、病気やケガ、家族の介護で働けなくなっても安心です。
節税効果が期待できる
不動産投資で赤字が発生した際、不動産所得を給与などほかの所得と損益通算できます。
たとえばサラリーマンの場合、給与の所得税から不動産所得の赤字分を相殺できるので、結果税金が安くなります。
また、物件の購入費用を数年かけて費用計上する「減価償却」によって、利益を圧縮できます。
減価償却費で減らした利益分の所得税を減額できるため、手元にキャッシュを残したまま節税できるわけです。
相続税対策にもなる
不動産投資は相続税対策としても有効です。
預貯金を相続する場合、金額すべてから相続税を計算するのに対して、土地や建物の相続税の計算では一定のルールに基づいた相続税評価額から算出します。
とくに、収益物件ではさらに相続税評価額が下がり、時価のおよそ30~50%まで減額されるのです。
たとえば、評価額1億円の収益物件を相続する場合、3,000~5,000万円程度の相続税評価額まで下がります。
収益物件の相続税評価額の計算式は以下の通りです。
建物の相続税評価額=固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合) |
貸家建付地の相続税評価額=自用地とした場合の価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合) |
「借家権割合」は全国一律30%、「借地割合」は路線価ごとに30~90%と定められています。
「賃貸割合」は相続時の入居率で算出され、満室に近いほど相続税評価額を減額できるのが特徴です。
このように収益物件を扱う不動産投資では、実際の資産価値より低く評価されるため、相続税対策として不動産投資をはじめるという方も多くいます。
生命保険代わりになる
物件を購入する際に金融機関でローンを組む場合、団体信用生命保険に加入できます。
仮にオーナーが死亡した際、借入金の残高が免除されるため、残された遺族に負担がかかりません。
さらに投資用不動産はそのまま財産として残るうえ、売却して現金化するか、また賃貸経営を継続するかを選択できます。
一般的な生命保険がお金を払って保証してもらうのに対し、不動産投資は家賃収入を得ながらも万一に備えておけるのです。
年金対策になる
不動産投資でローンが完済してしまえば、家賃収入を私的年金として長期間にわたり受け取ることも可能です。
総務省が発表している「家計調査年報(家計収支編)2019年(令和元年)Ⅱ総世帯及び単身世帯の家計収支」によると、夫65歳以上、妻60歳上の年金受給世帯の月間可処分所得216,910円に対して、支出が33,000円ほど上回っています。
不動産投資で毎月安定した利益を確保できるなら、年金だけで足りない生活費を補填できる可能性があるわけです。
年金を受給できる年齢になると、現役時代のように働けなくなります。
将来不足する生活資金を働かずに得る「不労所得」を実現できる方法として、不動産投資は有効的な手法なのです。
中・長期間安定的にリターンが期待できる
家賃や物件の価格は、株価や為替のように大きく変動せず緩やかなのが特徴です。
株式投資やFXなどは大きな価格変動によって、資産が大きく目減りする恐れがあります。
一方、不動産投資は比較的リスクが小さく、安定的にリターンを得られる手法です。
日々の価格変動を気にする心配もなく、中・長期間にわたって安定的に収益を得られます。
現物資産でインフレに強い
アパートやマンションなど現物資産は、インフレに強いのも不動産投資のメリットです。
物価が上昇して現金の価値が下がるインフレでは預貯金が不利な一方、不動産価格は物価の上昇とともに価格が上昇します。
家賃もゆるやかながら値上がりするため、収益が減少しにくく、所有している不動産を高値で売却できれば、予想外の大きな利益を得られる可能性も期待できます。
少ない自己資金ではじめられる
不動産投資は、少ない自己資金ではじめられるのもメリットです。
ケースによって異なるものの、物件価格のおよそ1~3割程度の自己資金を用意しておけば、残りを金融機関からの借入でまかなえます。
また、少額で購入できる区分マンションから一棟アパートまで、予算や投資レベルに合わせて選択できるのも魅力です。
経営が順調なら、さらに保有棟数を増やして事業を拡大することも可能。
棟数を増やせば金融機関の審査も通りやすくなり、ダイナミックな投資へと舵を切るのも可能になるでしょう。
高利回りが期待できる
預貯金はリスクは低いですが、低金利で大きな利益は期待できません。
一方、不動産投資ではケースによって、5%前後から最大10%以上の利益を得られる場合があります。
借入金額や建物の維持費などにも左右されますが、株式投資やFXよりリスクを抑えつつ、預貯金よりはるかに大きな利益を安定的かつ長期的に得られるのです。
レバレッジ効果で大きな投資効果が期待できる
不動産投資では、借入によって「レバレッジ効果」を発揮できます。
たとえば、1,000万円の自己資金で購入できる物件によって収益を得るよりも、金融機関から5,000万円を借り入れて5倍のレバレッジを利かせて高い物件を購入したほうが、実質的に年間収入が増えるのです。
ただし、自己資金に対して借入金が多すぎると金利が負担になります。
物件の利回りに対して金利負担が多すぎる場合、逆レバレッジになってしまうため注意しなければなりません。
自分で結果をコントロールしやすい
不動産投資は、他の投資商品と異なり成否をコントロールしやすいのが特徴のひとつです。
たとえば、株式投資では株価を自分でコントロールできません。
対して、不動産投資では入居率に合わせて家賃を変更したり、管理会社に委託する範囲を決めたりなど、ある程度自分でコントロール可能です。
また、経験や知識を身につけるほど結果に結びつきます。
運任せになりがちな株式投資と異なり、物件の見極め方や管理方法を習得すれば、不動産投資の利益最大化も期待できるのです。
管理を管理会社に委託できる
不動産投資では、物件の管理や入退去者への対応を管理会社に委託するのが一般的です。
一部またはすべての業務を管理会社に任せられ、とくに本業の忙しいサラリーマンが副業として運用したい場合に役立ちます。
とくに、不動産投資初心者においては、物件の選び方から契約の流れ、その後の運営方法などを相談できる頼もしい存在です。
また、部分的に自分で管理することも選択できます。
知識や経験を積み自分で管理できる範囲が増えれば、管理コストを減らして利益を増やせるのです。
不動産投資のデメリットとリスク対策
不動産投資は多くのメリットがある一方、デメリットもあります。
株式投資やFXなど他の投資手法よりリスクは少ないものの、デメリットを知らずにはじめるのは危険です。
不動産投資のデメリットとリスク対策を解説します。
空室リスクがある
不動産投資で最大のリスクが空室リスクです。
入居者がいなければ家賃収入を得られないわけであり、長期間にわたって空室が埋まらなければ経営が行き詰まってしまいます。
また、借入金がある場合、家賃収入を得られなくても毎月返済しなければなりません。
対策POINT
空室リスクを抑えるためには、第一に「物件選び」が重要です。
ターゲットを絞り込み立地や利便性を調査して、需要のあるエリアで不動産投資をはじめる必要があります。
また、物件購入時の空室リスクや利回りをあらかじめ考慮してシミュレーションしておくのも有効です。
家賃滞納リスクがある
入居率100%であっても、入居者が家賃を支払わないケースがあります。
家賃滞納が長引くと収益を得られず、ローンの返済が滞ってしまう懸念もあります。
対策POINT
契約時に連帯保証人を立ててもらう以外に、保証会社を利用するのも方法のひとつです。
家族が保証人の場合は必ずしも回収できるとは限りませんが、保証会社なら期日通りに弁済してくれます。
ただし、保証会社への加入は保証料が必要です。
家賃の30~60%程度を差し入れる必要があり、すでに入居者がいるオーナーチェンジ物件ではオーナー側が負担しなければならないケースがあります。
想定外の修繕費がかかる場合がある
不動産投資では中古物件を購入するケースが多く、建物は経年劣化によって確実に修繕が必要になります。
通常、修繕は計画的に実施されるものの、想定外の修繕費を必要とするケースもあり注意が必要です。
対策POINT
まず物件の状態を購入時にしっかりとチェックしておきましょう。
一見きれいそうな物件でも、大きな問題を見逃してしまう場合もあるため注意してください。
とくに、1981年以降の建物に適用されている新耐震基準に適合しているかを要チェック。
建築確認通知書で受理された日付を確認しましょう。
ただし、古い物件の場合、建築確認通知書を確認できない場合があります。
心配ならば、一級建築士など専門家に状態を判定してもらうのも方法のひとつです。
売却価格が変動するリスクがある
不動産の価格は、突然大きく変動するリスクが少ないものの、売却したいタイミングで下落している可能性も想定しおかなければなりません。
仮に、売却せざるを得ないタイミングで価格が大幅に下落していると、過去に得た利益が吹き飛ぶほどの損額を被る恐れがあります。
対策POINT
いつ売却しても問題のないよう、日頃から物件の管理を怠らないよう気を配っておきましょう。
空室の多い物件より、満室での稼働率が高い物件のほうが高値で売れやすくなります。
建物の維持管理に力を入れて、購入希望者にとって魅力的な物件だと判断してもらうのが重要です。
また、不動産には希望通りに売却できない、資金流動化リスクもあります。
物件のあるエリアの需給バランスによっては、売りたくてもなかなか売れないケースがあるのです。
不動産投資で物件を選ぶ際には慎重に調査を重ねるほか、早急に売却しなければならない事態にならないよう、出口戦略をしっかり立てておきましょう。
災害で大きなダメージを受ける恐れがある
近年、過去に例がないほどの大災害が発生している地域があるように、所有している物件が同様の被害にあわないとは限りません。
予想外の大きなダメージを受けるトラブルも想定しておきましょう。
対策POINT
災害に備えるなら、下記の対策をおこなっておくのがおすすめです。
- 市町村が発表しているハザードマップを確認する
- 物件購入時に火災保険や地震保険に加入しておく
- 複数の物件所有でリスクを分散する
市町村が発表しているハザードマップでは、水害のリスクをチェックできます。
仮に河川が氾濫した場合に、建物が水没してしまう事態が想定されるエリアでの物件購入は、控えたほうがよいでしょう。
火災保険や地震保険に加入する際は、保証の範囲や金額等を確認しておいてください。
複数の物件を所有し、リスクを分散するのも災害対策として有効です。
さまざまエリアに分けて物件を所有していれば、同時に災害に見舞われる可能性は低く、突発的に不動産投資が破綻してしまうリスクを回避できます。
金利上昇で負担が増大する可能性がある
金融機関からの借入金で物件を購入している場合、金利上昇によって負担が増大してしまうケースもあり得ます。
とくに、変動金利を選択している場合は注意が必要です。
金利上昇リスクは、早めにローンを完済することが効果的です。
支払い期間を短くする、もしくは利益を得てある程度の貯蓄ができたなら、繰り上げ返済で早めにローンを完済するとよいでしょう。
物件の違いによる不動産投資のメリット・デメリット
不動産投資で物件を購入する場合、新築物件と中古物件のどちらを選んだらよいのか、迷ってしまう場合もあるのではないでしょうか?
それぞれのメリットとデメリットを解説しますので、参考にしてみてください。
新築物件のメリット
新築物件は、きれいな外観で最新設備を備えているのが魅力です。
入居者が集まりやすく、空室リスクを抑えながら不動産投資をおこなえます。
また、家賃を高めに設定できるほか、当面の間は大きな修繕費がかからずコストを軽減できるのもメリットです。
新築物件のデメリット
新築物件の最大のデメリットが初期投資額の大きさです。
高額な建築コストがかかり、とくに土地を所有していない場合は多額な費用が必要になります。
新築物件を購入する場合も取得価格は高額です。
初期投資額が大きいと当然ながら利回りも低くなり、資金に余裕のない方には適していません。
中古物件のメリット
中古物件は、取得価格の低さが魅力です。
築年数や規模の異なる多数の物件があり、幅広い選択肢のなかから自己資金や投資レベルに合わせて選べます。
初期投資額が少なく仮に失敗しても撤退しやすいため、とくに不動産投資初心者におすすめです。
中古物件のデメリット
中古物件は建物の経年劣化や設備の不具合によって、維持管理コストがかかります。
購入時には想定以上の費用がかからないよう、しっかりと調査・検討しなければなりません。
また、金融機関の審査が通りにくい場合もあり、最初は自己資金で購入できる手頃な物件を選択するのがおすすめです。
不動産投資のメリットを最大限に活かす方法
不動産投資には多くのメリットがあるものの、闇雲にはじめて簡単に利益を得られるとは限りません。
不動産投資の数多くのメリットを最大限に活かせる方法を解説します。
立地と利便性を重視して物件を選ぶ
不動産投資では何よりも、空室リスクを減らして入居率を高めることが重要です。
物件を購入する際には、立地や利便性を重視しながら慎重に選びましょう。
たとえば、
- 最寄りの駅から徒歩10分圏内
- 各方面へ出かけやすいターミナル駅が近い
- スーパーや飲食店が多く便利
- 病院や市区町村役所など公共施設が近くにある
さらに、立地や利便性を調査する際は、エリアに適したターゲットを絞り込むのが重要です。
学生なら学校に近い場所が便利と考えますし、ファミリー層なら駅近より暮らしやすい環境を重視する傾向にあります。
あくまでターゲット層が住みやすいかを考慮しながら、物件を選びましょう。
初期投資額を抑えられる中古物件に注目する
不動産投資のメリットを最大限に活かしたいなら、中古物件に注目してみましょう。
築年数にもよりますが、新築と比較して圧倒的な低価格で購入できます。
初期投資額を抑えれば利回りが高くなり、安定的に収益を得る近道になるのです。
中古物件は、売り手と買い手の希望価格が一致すると取引が成立します。
オーナーの事情によっては一刻も早く売却したいケースもあり、値引きも期待できるでしょう。
一方、新築物件の場合、価格に建築費用や販売会社の手数料、宣伝費なども上乗せされて割高です。
そのうえ、家賃も中古物件と比べて極端には変わらないため、利回りが低くなってしまいます。
不動産投資を法人化すればさらにメリットがある
近年、法人税が個人の所得税率と比べて低くなっているほか、法人設立のハードルが下がったことと相まって、不動産投資の法人化が注目されています。
経営が順調で所得が増えれば、法人化によってさらなるメリットを享受できるでしょう。
では、どの程度の収入であれば、不動産投資を法人化したほうがよいのでしょうか?
まず、所得税の税率を確認しておきましょう。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円超695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円超900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円超え1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円超え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超え | 45% | 4,796,000円 |
個人の所得税は、所得額に応じて税率が上がる累進課税を採用しています。
一方、法人税率は資本金1億円以下の法人の場合でおよそ21~34%と30%前後です。
上記の税率に照らし合わせると、個人の所得額が900万円を超えたあたりで法人税率のほうが低くなります。
つまり、給与や不動産所得を合算した個人の所得税額が900~1,000万円を超えていれば、不動産投資を法人化したほうが有利なわけです。
また、法人化したほうが多くの経費を計上できるなど、実際の税率の差以上にメリットがある点も覚えておきましょう。
まとめ
不動産投資には多くのメリットがあるほか、適切に運用すれば低リスクで収益を得られます。
メリットとデメリットを把握したうえで、不労所得を得るべく不動産投資をはじめてみてはいかがでしょうか?
初心者の方はこちらの記事もご参考ください♪