2023年01月27日
ワンルームマンション投資は得か損かを解説!【潜む3つのリスク】
ワンルームマンション投資は、一棟物件よりも少額で購入でき、リスク分散できる点がメリットです。
しかし、ちまたでは「ワンルームマンション投資は損をする」という言葉を耳にしたこともあるのではないでしょうか。
ここでは、以下について解説します。
- ワンルームマンション投資は得か損か
- ワンルームマンション投資で損をする理由
- ワンルームマンション投資に潜む3つのリスク
- ワンルームマンション投資で得をするケース
ワンルームマンション投資は、個人によって得したり損するパターンがありますのではじめる前にしっかり確認しておきましょう。
目次
ワンルームマンション投資は得か損か
ワンルームマンション投資は得か損かどっちなのか。
結論は「これから資産を築きたい人にとってはリスクが高く、損をする可能性が高い」です。
ただし、潤沢な資金がある人にとっては、節税で得となる可能性があります。
ワンルームマンション投資がなぜ損をする可能性が高いのか、どのような場合に得をするのか次の章から解説していきましょう。
ワンルームマンション投資で損をする理由
ワンルームマンション投資で損をする可能性が高い理由は、利回りが低い物件が多く収益を期待できないためです。
特に、東京の新築ワンルームマンションは表面利回り3%~4%台が一般的です。
「表面利回り」は、不動産価格に対して得られる年間家賃収入の割合になります。
表面利回りでは、賃貸経営にかかる維持費が考慮されていません。
そのため、表面利回り3%~4%台の場合、アパートローンの金利や固定資産税など、維持費を考慮すると収支がマイナスになります。
例 表面利回り4%の新築ワンルームマンションに投資した場合
それでは、アパートローンを借り入れて表面利回り4%の新築ワンルームマンションに投資した場合、どれくらいマイナスになるのか具体的に解説していきます。
条件は以下の通りです。
ワンルームマンションの条件
価格2,500万円(表面利回り4%)
年間家賃収入 102万円
アパートローンの借り入れ条件
借入額2,500万円(頭金なし)
毎月の返済額9.3万円(年間約111.6万円)
変動金利2.0%
返済期間30年
上記の条件では、入居者がいれば年間102万円の家賃収入を得られます。
しかし、アパートローンの返済が年間約111万円あるため、年間の収益はマイナス9万円です。さらに、修繕費、管理費、税金などが別途かかります。
もし入居者がいなければそれらを、自己資金で補わなければいけません。その他の維持費を考慮すると、ローン返済が滞る可能性が高く危険です。
表面利回り3%~4%台では危険だということを、ご理解いただけたのではないでしょうか。
新築ワンルームマンション投資は利回りが低く、キャッシュフローがたまらないため、長期的に安定した収入を得たい人には向いていない投資方法です。
ワンルームマンション投資のより詳しいリスクについては、以下の記事も参考にしてください。
新築ワンルームマンションの利回りが低い理由は?
それでは、なぜ新築ワンルームマンションは利回りが低いのでしょうか。
理由は、購入価格が通常よりも割高に設定されているためです。
新築ワンルームマンションは、土地の仕入れから販売まで一つの業者が行います。
そのため、販売広告費の他、各工程の中間マージンが上乗せされているケースがほとんどです。
実際の評価額よりも、購入価格が1,000万円程度高く設定されることも珍しくないため、かなりの損をしています。
また、新築プレミアムといって、新築時は通常相場よりも1~2割高く貸すことができます。
しかし、一度でも退去されると「中古」となり、新築プレミアムが失われ家賃が相場に戻ります。
その場合、よほどのことがなければ家賃収入が下がるため、利回りもさらに下がります。
新築ワンルームマンションは、電話営業で知識のない初心者をターゲットにすることが多い点も特徴的です。
不動産投資の知識が十分でない場合、少額で始められる=リスクが小さいと勘違いしてしまう人もいるでしょう。
収益を得られない物件を購入しないために、不動産利回りの目安や計算方法について知識を得ることも大切です。興味がある人は、以下の記事も参考にしてくださいね。
ワンルームマンション投資に潜む3つのリスク
収益を得られないワンルームマンション投資を購入すると、どのようなリスクが起こり得るのか解説していきます。
事業規模を拡大できない
ワンルームマンション投資は1室で得られる収益が低いため、収益を得るには事業規模の拡大が必要です。
しかし、ワンルームマンション投資で赤字経営が続いていると、追加融資を受けられずに規模を拡大できない可能性があります。
追加融資を受けにくい理由は、賃貸経営の業績はアパートローンの審査基準の一つになるためです。
最新の不動産投資ローン事情について気になる人は、以下の記事もご覧ください。
赤字で売却できない
新築ワンルームマンションの価格には、仲介会社の利益が上乗せされているケースが多いため、相場よりも高い価格で販売されている可能性があります。
相場よりも高い価格で購入すると、売却価格が購入価格よりも低く「売りたくても売れない」という状況になります。
一棟物件のように資産価値が下がりにくい土地を所有している場合、一定の資産価値を保って売却できますが、マンションは土地が自分のものになりません。
建物の資産価値が下がりやすいことを考えると、新築ワンルームマンションは資産性が高いとは言えないでしょう。
リスクを分散できない
アパート・マンションなどの1棟買いは、複数の部屋があるため1部屋空室ができても他の部屋から収入を得ることが可能です。
しかし、ワンルームマンションを1部屋のみ所有する場合は、リスクが1部屋に集中してしまいます。
ワンルームマンション投資で得をするケース
ワンルームマンション投資は、節税効果があるため得をするケースもあります。特に、自己資金に余裕がある人、すでに資産を築いている人は得をする可能性があるでしょう。
損益通算による所得税・住民税の節税
賃貸経営で得た収入を不動産所得と言いますが、不動産所得が赤字になると、他の所得から差し引きできる制度があります(損益通算)。
例えば、給与所得1,000万円の会社員が、副業の賃貸経営で100万円の赤字を出した場合、給与所得から赤字の100万円を差し引いて、その年の所得を900万円として申告可能です。
所得が低いほど所得税の税率が低くなるため、給与所得が低くなれば所得税を節税できます。さらに、住民税は所得額に応じて計算されるため、住民税の節税にもなります。
相続税の節税
ワンルームマンション投資は、資産をたくさん持っている人の相続税対策にもなるでしょう。
遺族が高価な物を相続すると、相続税がかかります。
相続税は現金や預貯金の場合、時価で計算されますが、建物は固定資産税評価額をもとに計算されます。
固定資産税評価額は、実際の取引価格の70%程度に設定されているため、現金よりも相続税の課税対象が少なくなり、節税できる仕組みです。
初めての不動産投資で失敗しないためには?
ここまで読んだあなたは、「不動産投資はリスクがあるからやっぱり辞めようかな」と感じたかも知れません。しかし、どのような投資にも必ずリスクがあります。
不動産投資に失敗しないためには、リスクをできるだけ抑える工夫をしていきましょう。
初めての不動産投資で失敗しないためのポイントを解説していきます。
ワンルームマンション投資は新築よりも中古
先述の通り、新築ワンルームマンション投資はリスクが高い物件です。
どうしてもワンルームマンション投資をしたい人は、中古を購入しましょう。
新築は利益が上乗せされているケースが多いですが、中古は比較的相場価格にのっとって取引されます。
アパート・マンションの一棟買いもおすすめ
アパート・マンションの一棟買いは、高い利回りを期待できる可能性があります。
物件選びに失敗しなければ、大きな収益を得られるでしょう。
また、ワンルームマンションとは異なり、一棟買いは土地も自分のものになるというメリットがあります。
将来的に売却する際、まとまった収益を得られる可能性があるでしょう。
アパート経営に興味がある人は、以下の記事もおすすめです。
信頼できる不動産会社を選ぶ
収益性の高い物件を購入できるかどうかは、不動産会社選びによって左右されます。
不動産のデメリットも含めた正しい情報提供をしてくれる、あなたに合った投資計画を一緒に立ててくれるなど、信頼できる不動産会社を選びましょう。
不動産会社選びに関する情報は、以下の記事を参考にしてくださいね。
まとめ
ワンルームマンション投資は、安定した収益を得たい人や、これから資産を築いていきたい人は損をする可能性があります。
特に、新築ワンルームマンションの購入を検討している人は、注意が必要です。
ご自身で不動産投資に関する知識をしっかりと身に付けると同時に、信頼できる不動産会社を探して、安定した収益を確保できる物件を探してくださいね。