2022年08月02日
【アパート経営を始める前に】必要経費や3つの失敗理由を把握する事が大切
アパート経営の動機には「家賃収入で暮らしたい」「空いている土地があるから土地活用をしたい」「節税コラムを読んで税金対策でアパート経営もいいと思った」など、人によってさまざまです。
しかし、アパート経営失敗のニュースを耳にすることもあり、なかなか手を出すことができないという人も多いのではないでしょうか?
この記事では、アパート経営を始める前に知っておくべき大切な、必要経費や失敗理由について紹介します。
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アパート経営の利回りとは?計算法から正しい見方まで
一般的に「利回り」とは、投資額に対する利益の割合を意味します。
アパート経営やマンション投資などの不動産投資でも、利回りが非常に重要なのです。
また、アパート経営などの利回りにはいくつかの種類があります。
ここでは、アパートの利回りについて計算法から正しい見方まで紹介します。
目次
利回りと目安の計算方法
アパート経営において、よく使われるのは表面利回り・実質利回りです。
それぞれ解説していきましょう。
表面利回り
表面利回りとは、「年間収入÷物件価格×100」で計算することができます。
まだ、未販売の物件やこれから販売する物件の場合は、「満室想定利回り」とも言い以下の通りで計算します。
満室年間収入÷購入(建築)価格×100
満室年間収入とは、満室時を想定した家賃収入の計算のことで、購入(建築)価格はその物件を購入または建築するのに要したお金のことです。
例えば、3,000万円で購入した一棟アパートで表面利回りを計算してみましょう。
このアパートには5部屋あり、各部屋の家賃が毎月5万円だとすると、満室年間収入は5部屋分×12ですから5万円×5部屋×12ヶ月=300万円です。
それを3,000万円で割ると0.1%に換算するために100をかけて10%になります。つまり、表面利回りは10%です。
実質利回り
現実のアパート経営では、さまざまなコストがかかります。
実質利回りはそうしたコストを差し引いたものです。
特に賃料から管理委託費(管理会社に払うお金)と管理費等を引いた計算方法がよく使われます。
(満室年間収入-年間支出)÷購入(建築)価格×100
例えば、アパート経営のために掛かる管理費が月5,000円必要でこれを家賃から払うとします。
アパートには5部屋あり、各部屋の家賃が毎月5万円だとすると毎月5万円の家賃のうち残るのは45,000円です。
この場合、全戸満室だとして、年間収入は5部屋分×12ですから45,000円×5部屋×12ヶ月=270万円です。
これを3,000万円で割って100をかけると7.4%になります。これが実質利回りです。
なお、実質利回りも現状の入居状況で年間賃料を計算することがあります。
番外編 用語解説【想定利回り】
想定利回りとは、家賃や空室を想定して出す利回りに用いる言葉です。
不動産会社の物件広告に掲載される言葉で、「高い利回りがある」と思わせる目的があるので注意しましょう。
想定利回りは誰の想定なのかによって変化します。
極端な話ですが、10万円で貸そうと思うAと5万円で貸そうと思っているBが利回りを計算するとしましょう。
利回りは全く違いますが、どちらも想定利回りであることは変わりません。
アパート経営の実収入ってどれくらい?収入増は可能?
アパート経営での収入は家賃だけなのでしょうか。
アパートという「資産」を使ってできるだけ、収入を増やしたいですよね。
実は、アパート経営の収入は家賃以外にもあるのです。
ここでは、アパート経営の実収入がどれくらいなのか、また、収入を増やすことは可能なのかについて紹介します。
アパート経営で得られる収入
アパート経営で得られる総収入は、家賃・共益費・礼金・更新料および駐車場代の合計金額です。
これらの不動産収入から必要経費を差し引いたものが不動産所得になります。
アパート経営で得られる収入を確認しましょう。
- 家賃
家賃はアパート経営での基本収入です。
入居者に部屋を貸している対価として月々料金を払ってもらうものです。
- 共益費
共益費は、例えば共用部分にかかる光熱費(電気代や水道代)や清掃費として入居者から徴収するお金です。
「管理費」とも呼ばれています。
- 礼金
敷金・礼金としてセットで入居者から受け取るものですが、礼金は敷金と違って入居者に返す必要がない収入です。
ただし、最近では礼金を取らないパターンも増えてきています。
- 更新料
更新料は賃貸契約更新のときに入居者から受け取るものです。
通常は2年に1度となります。
オーナーや大家さんによって多少異なりますが、多くの場合は家賃の1ヶ月分です。
- 駐車場代
駐車場代はアパート脇の空き地に駐車スペースを設けている場合などに、入居者からもらう料金のことです。
アパート経営で得られる不動産所得
前述したように、不動産収入と不動産所得は違います。
所得は収入から必要経費を差し引いたもので、アパート経営で課税される所得は基本的には不動産所得に分類されます。
つまり、「総収入(「アパート経営で得られる収入」で説明した収入)-必要経費(「主な必要経費一覧」で後述)=不動産所得」
になります。
アパート経営を始めるために必要な費用と自己資金とは?
実質利回りではランニングコスト(の一部)を差し引きましたが、実際にアパート経営を行う場合には、まず初期費用がかかります。
新築なら建築会社に払うお金もありますし、それ以外でもお金がかかるのです。
なお、ローンでアパートを買う場合には頭金なしでフルローンを購入できる金融機関もありますが、一般的な銀行は物件価格の20%程度を頭金として求める傾向があります。
ここでは、アパート経営を始めるために必要な費用と自己資金がどれくらい必要なのかを紹介します。
初期費用で必要なものについて
初期費用で必要なものとしては、仲介手数料・ローン手数料・租税公課(そぜいこうか)・印紙代・司法書士報酬・登記費用、損害保険料などがあります。
ここでは、それぞれの初期費用について解説していきます。
仲介手数料(中古アパートの場合)
「仲介手数料」とは、既にあるアパートを買う場合に不動産業者に支払う料金のことです。
購入を仲介してくれた不動産業者に支払います。
物件価格によって異なりますが、一般的な金額は、以下の通りで計算できます。
物件代金×3%+6万円+消費税
ローン手数料
これはローンを組む際に銀行などに払う手数料のことです。
融資手数料型と保証料型があります。
不動産投資の融資(収益物件の融資)で積極的な銀行は借入額の1%程度を求めることが多いです。
その他にも、金融機関によって異なりますが事務手数料が必要になります。
租税公課(そぜいこうか)
「租税公課」とは、不動産取得税・印紙税・登録免許税・固定資産税などのことです。
このうち、固定資産税や都市計画税は毎年かかりますが、それ以外はアパート経営開始時のみの費用です。
不動産取得税は都道府県に納付する税金で、不動産購入の年度か翌年に納付します。
原則的には固定資産税評価額の4%ですが、住宅・宅地の場合3%に軽減されています(2021年3月31日まで)。
登録免許税とは、自分が所有者であると「登記」するための課税のことです。
印紙代
売買契約書に貼る収入印紙の代金です。
不動産売買契約書に記載されている金額により異なります。
司法書士報酬・登記費用
移転登記などの不動産登記は通常、司法書士に依頼して行います。
その際にかかる費用です。
状況によって金額は異なりますが、大体10~20万円ほどになります。
損害保険料
火災保険・地震保険などの保険料です。
他にも施設賠償責任保険などがあり、加入状況によって支払金額は異なります。
アパート経営に必要な経費にはどんなものが存在する?
アパート経営を行う場合、毎年ランニングコストがかかります。
収益物件になるかどうかはこのコストが重要なのです。
なお、「総収入-必要経費=不動産所得」で計算される不動産所得を基に課税額が決まるので、必要経費がむしろメリットになることもあります。
ここでは、アパート経営に必要な経費について紹介します。
主な必要経費一覧
以下の経費がアパート経営での主な必要経費です。
毎年かかる経費以外に臨時にかかる経費があります。
臨時にかかる費用としては、修繕費のように設備が壊れたときにかかるもの、仲介手数料のように入居者が退去して新たな入居者を募集する必要が生じたときにかかるものです。
- 租税公課(そぜいこうか)
固定資産税や都市計画税など、国や都道府県などに支払う税金です。
- 損害保険料
建物に火災保険や地震保険といった損害保険をかけている場合の保険料です。
- 修繕費
建物や設備などが傷んだり壊れたりしたときの修理代金です。
入居者が変わった際のクロスやフローリングの貼替時に必要になってきます。
- 減価償却費(げんかしょうきゃくひ)
建物などの価値は毎年減って行く(減価する)という意味での会計上の費用です。
実際に毎年支払いをするわけではありませんが、納税額を減らす上では重要です。
- 借入金利子
アパート購入などのローンの利息です。
- ローン関連費用
アパート購入などのローンの借り入れる際の費用です。
- 仲介手数料
空室が生じた場合に不動産会社へその空室を埋めるための仲介手数料が発生する可能性があります。
- 委託管理費
管理会社に支払った管理費用です。
- 青色事業専従者給与
アパート経営に関して家族や親族に支払った給与ですが、必要経費とするには一定の条件があります。
- 光熱費
廊下など共用部にかかる電気代などです。
- 通信費
アパート経営に要した電話代や切手代などです。
管理会社にかけた電話代などが含まれます。
- 接待交際費
管理会社などとの打合せに要した飲食費です。
- 広告宣伝費
入居者募集広告などに要した費用などです。
初年度の経費一覧
「初期費用で必要なものについて」でも紹介しましたが、改めて初年度の経費を簡潔に確認しましょう。
既にアパートがあり、そこから住人を立ち退かせて新しいアパートを建てる場合、予定通りに進まないリスクもあることを覚えておきましょう。
アパート経営の初年度経費としては、土地や建物の不動産取得税、その登録免許税、印紙税。
アパートの建て替え時には、旧アパート取り壊し費用、旧アパート立ち退き費用があります。
- 土地、建物の不動産取得税
不動産所得税は不動産購入に際してその都道府県に納付する税金です。
- 土地、建物の登録免許税
登録免許税はアパート購入の場合は、所有権移転登記のために国に納付する税金です。
抵当権設定にも必要になります。
- 印紙税
売買契約書に貼る収入印紙の代金です。
- 旧アパート取り壊し費用
既にアパートが建っている土地で、もとのアパートを取り壊して新築アパートを建てる場合に必要な費用です。
アパートの構造や立地により金額は異なります。
- 旧アパート立ち退き費用
旧アパートに入居者がいると、通常は立ち退き費用も必要になります。
アパート経営は儲からないと言われるのは何故?失敗する理由を解説
「アパート経営は儲からない」と言われることがあります。
これから不動産投資をしようかと迷っている方は、大きな不安要素でしょう。
儲からないと言われる理由や失敗する理由を理解すれば、不安要素を取り除くことができます。
ここでは、アパート経営が儲からないと言われる理由と、失敗してしまう理由について紹介します。
資金計画ができていない
アパート経営で失敗する理由のひとつは資金計画ができていないことです。
説明してきたように、アパート経営は購入費用以外の初期コストやランニングコストについて考えなくてはいけません。
また、想定利回りでは返済がうまく行くと思っていても、入居者が入らなければ、途端に行き詰まります。
修繕などで思わぬ出費があることも否定できません。
思わぬ出費が考えられますので、きちんとした資金の調達計画、返済計画、支出計画を事前に立てておく必要があります。
信用できる経験者または、不動産業者に相談してみるのが良いでしょう。
リスク計画を立てられない
アパート経営には、たくさんのリスクが転がっています。
そんなリスクに対してしっかりとしたリスク計画を立てられないと、失敗してしまう可能性があります。
「空室リスク」「自殺」「天災」「隣人トラブル」など、アパート経営には多種多様のリスクが付きものです。
入居率を上げるためには、なるべくトラブルは避けなければいけません。
最近では災害リスクも失敗の大きな要因となります。
さまざまな経営リスクを軽減するリスク計画が必要なのです。
知識不足
アパート経営は素人でも始めることができます。
しかし、実際にアパート経営をやってみると「こんなはずじゃなかった」「知らなかった」ということが多く出てくるでしょう。
アパート経営には、不動産をはじめ、経営、税務、法務などの知識が欠かせません。
アパート経営をお考えの方は、金融機関や不動産会社にしっかりと話を聞いてみましょう。
【大吉不動産の見解】
失敗する方の特徴のなかに、独学で得た情報のみで投資を始めてしまい失敗する方や、自社物件を売りたい会社のみに相談してしまい、キャッシュフローが出ずに失敗する方が多くいらっしゃいます。
不動産投資をするなら「1ルームが良い」と言っている会社だけの話を鵜呑みにしてしまうと、結局投資したあとに失敗してしまったなんて事になり兼ねません。
そうならない為にも、知識不足が一番の原因となるので、大吉不動産をはじめ何社かをまわっていただき、しっかり話を聞いてもらい、ご自身に合う会社とお付き合いをすることをおすすめします。
寄り添える不動産選びで、選んでいただけるのが大吉不動産だと嬉しいです。
副業にもなるアパート経営!失敗する理由には対策法があります。きちんと計画を立てて取り組みましょう!
最近では副業としての アパート経営を始めるという人も少なくありません。
しかし、情報に流されて安易に始めるのではなく、まずは利回りから確認しましょう。
アパート経営には、税金だけでも、毎年固定資産税などがかかります。
ローンの利子だけでなく、諸々の費用も積み重なってかかります。
しっかり支出を計算して、無理のないアパート経営をすることが肝心です。
また、アパート経営ではリスク管理も大切です。
空室・家賃滞納・入居者のトラブル・修繕・自然災害などのリスクにも備えましょう。
きちんとした計画と対策をすれば成功する可能性は十分にあります。
アパート経営は計画的に行いましょう。
まとめ
- アパート経営の利回りには想定利回り、表面利回り、実質利回りがある
- アパート経営の収入は家賃だけなく共益費や礼金などがある
- 必要経費はローン以外にも仲介手数料や租税公課などがある
- アパート経営の失敗の理由には資金計画、リスク計画、知識不足などがある
- きちんとした計画と対策を立てれば、アパート経営で副業収入を得ることはできる