2022年07月22日
賃貸アパート経営はリスクと言われる理由について解説
近年、資産運用として人気が高まっている不動産投資。
しかし、「儲からない」「リスクが大きい」という意見も聞こえてきます。
これから不動産投資をしようかと思っている方の中には「興味はあるけど、ローンを組むのが不安」という人もいるのではないでしょうか?
この記事では、アパートの賃貸経営が高リスクだといわれる5つの理由とメリットとローンについて詳しく解説します。
目次
- 1 【投資】アパート経営が高リスクだと言われるのは真実?
- 2 理由1.空室
- 3 理由2.家賃の未払い
- 4 理由3.自然災害
- 5 理由4.老朽化、修繕費用
- 6 理由5.立地
- 7 アパート経営の家賃保証は危ない?サブリースの正しい知識とは?
- 8 家賃保証(サブリース)とは?
- 9 家賃保証(サブリース)の6つのリスク
- 10 家賃保証(サブリース)の2つのメリット
- 11 やめるべきなのか?フルローンでのアパート経営のリスクとは?
- 12 フルローンでのアパート経営とは?
- 13 フルローンの3つリスクと対策法
- 14 アパート経営を失敗しないために、リスクやローン知識を把握しておくと良いでしょう!計画性が1番重要になります!
- 15 まとめ
【投資】アパート経営が高リスクだと言われるのは真実?
アパート経営だけではなく、土地活用をはじめとした不動産投資や経営にはリスクがつきものです。
しかし、どのようなリスクがあるのかあらかじめ知って備えておけば、回避できるものもあります。
しっかりリスクを把握して、アパート経営投資を始めましょう。
ここでは「アパート経営投資はリスクが高い」と思われている5つの理由について、具体的に紹介します。
理由1.空室
アパート経営は、所有する賃貸物件の入居者から支払われる家賃収入で成り立っています。
空室が出てしまうと当然賃料収入は減りますが、ローン返済や税金、修繕費用は支払わなければいけません。
空室率が高くなると赤字が出てしまう可能性もあるので、常に空室を出さないための工夫が求められます。
具体的な工夫点として、
- 適宜修繕を行い、入居者に満足してもらえる賃料に見合った状態を保てるよう努める
- 入居者募集の際には、毎回周辺賃料の確認する
- 空室期間が長くなったら家賃を見直す
などの対策が挙げられます。
また、入居者募集や賃貸契約を任せている不動産会社の担当者と、良好な関係を築くことも重要です。
理由2.家賃の未払い
家賃の未払いがあると、空室と同じく家賃収入が減ります。
それどころか家賃滞納の場合は、空室のように新しい入居者を入れることもできません。
大変深刻な問題です。
賃貸住宅の管理を不動産会社に任せているのであれば、家賃滞納などのトラブルは不動産会社の担当者が対応します。
優秀な不動産会社の場合は、大きな問題になる前に迅速に対応してくれるでしょう。
管理会社選びは、あらゆるリスクを回避する上で大変重要なポイントなのです。
理由3.自然災害
台風や地震、火災などの自然災害もアパート経営には大きな問題です。
最悪の場合、一夜にして自己資産を注ぎ込んで購入した投資物件を失ってしまう可能性もあります。
旧耐震基準で建てられている中古物件の場合は「耐震補強をする」「新築の場合は火災に強い構造にする」などの方法も考えられますが、自然災害は完全に防ぎきれるものではありません。
自然災害への備えとして、火災保険や地震保険には必ず加入しましょう。
保険の内容によっては、台風などの自然災害時の損失をカバーしてくれるものもあります。
必要な補償内容を吟味して、安心できる保険を選びましょう。
理由4.老朽化、修繕費用
建物の老朽化は、避けられない問題です。
築年数が経つにつれて、お風呂やキッチンなどの水回りや、外壁の塗り替えなどにかかる修繕費用も増えていきます。
老朽化が目立つと入居者を集めにくくなり、空室増加によって収益が減少してしまうかもしれません。
計画的に老朽化対策や修繕、リフォームを実施しましょう。
理由5.立地
賃貸アパート経営において、立地条件は重要なポイントです。
会社や大学の近くに住む入居者が多い場合は、オフィスや大学が移転すると需要が落ちる可能性があります。
土地活用としてアパート経営を始める場合は、ファミリー向けや学生向けなど、どの層に向けたアパートにするかよく検討することが大切です。
アパート経営やマンション投資は、立地を考慮して物件を決定しましょう。
アパート経営の家賃保証は危ない?サブリースの正しい知識とは?
アパート経営ではオーナーに支払われる家賃を保証する、「家賃保証(サブリース)」という仕組みが使われることがあります。
サブリースは空室や家賃滞納対策に有効ですが、よく知らないまま契約してしまうとリスクを伴うこともあります。
ここでは、正しいサブリースの知識を紹介します。
サブリースの仕組みをよく理解して、アパート経営に役立ててください。
家賃保証(サブリース)とは?
アパート経営には「家賃保証(サブリース)」といって、業者が物件を一括借上げして、オーナーに規定の家賃を支払うというシステムがあります。
家賃保証は正しく活用できれば、オーナーにとって大変良い仕組みです。
しかし、契約時にデメリットを説明してくれない業者がいることも事実で、後々トラブルに発展するケースも多くみられます。
オーナー自身がサブリースの正しい知識を身につけた上で、信頼できる不動産会社に相談することが大切です。
家賃保証(サブリース)の6つのリスク
オーナーにとって心強い仕組みである家賃保証(サブリース)には、リスクも潜んでいます。
特に空室が想定される物件で利用することは大変危険です。
サブリースには他にもリスクがありますが、正しく理解しておくことで回避することもできます。
ここでは、家賃保証に関する6つのリスクについて詳しく解説します。
当初の家賃保証が継続されないことも
家賃保証は、家賃保証が継続されないことがあります。
例えば契約自体は30年など長期間であっても、一定年数以降は状況に応じて家賃の引き下げができるような契約になっており、当初の家賃保証が継続されないケースです。
ローンを当初の家賃保証を想定して組んだ場合、数年後減額されてしまい返済が滞ってしまう可能性もあるでしょう。
高い入居率を維持できるか、土地にニーズはあるのかなどをよく考え、先々家賃保証が減額された場合も経営ができるのかを念頭に判断してください。
免責期間がある
通常サブリース契約は、免責期間が設定されています。
家賃保証を請け負っている会社によりますが、新築後の数か月間と退去後の一定期間(おおよそ1~3カ月程度)に免責が発生することが多いです。
免責期間中は家賃を受け取ることができません。
契約時にしっかり確認するようにしましょう。
修繕費用はオーナー負担
サブリースを契約していても、建物の老朽化にともなう修繕費用はオーナー負担です。
しかし、修繕方法をサブリース会社に一任すると、相場よりも高額な費用を要求されることがあります。
修繕方法を一任しなければ、オーナー自身の力で修繕費を抑えることはできるかもしれません。
しかし、それでもまとまった金額が必要になります。
資金計画は慎重に行いましょう。
敷金・礼金はサブリース会社に支払われる
入居者との契約はサブリース会社が行うため、敷金や礼金、更新料もサブリース会社に支払われます。
また、家賃収入自体も、10~20%ほどサブリース会社に支払うことになります。
サブリース会社が倒産した場合保証は失われる
通常家賃保証は30年などの長期契約になりますが、契約途中であってもサブリース会社が倒産した場合は、保証が失われるということを頭に置いておきましょう。
倒産しなくても、業績悪化により契約解除になる可能性もあります。
この場合は当然家賃保証はなくなります。
違約金の発生や入居者の一斉退去の可能性がある
契約解除時に多額の違約金が発生するケースがあります。
あらかじめ、しっかりと契約内容を把握しておきましょう。
また、契約解除をすると入居者が一斉退去する可能性もあるため、契約解除は慎重に行わなければなりません。
家賃保証(サブリース)の2つのメリット
家賃保証のデメリットを読んで「やっぱり危険かもしれない」と思われた人もいるかもしれません。
しかし、家賃保証は上手に活用できれば、オーナーのリスクや面倒な仕事も請け負ってくれる心強い仕組みとなっています。
そのためにはオーナー自身が不動産投資を勉強し、複数の会社から情報を集めたり、オーナー同士のネットワークを築いたりすることが大切です。
ここでは、家賃保証の心強いメリットを2つ紹介します。
入居者募集や管理はサブリース会社が行ってくれる
賃貸管理会社に依頼するのと同様に、入居者募集や家賃集金、専有部分の維持や管理は、契約しているサブリース会社が行ってくれます。
特に家賃滞納の催促など、精神的・時間的に負担が大きい仕事も請け負ってもらえることは、オーナーにとって大きなメリットになるでしょう。
また、入居者同士や近隣住民とのトラブルも、専門的な知識をもって対応してもらうことができます。
遠方に不動産賃貸を所有している場合も対応してもらえるので、大変心強いでしょう。
空き室があっても家賃保証で収入が得られる
家賃保証は、空室が出た場合でも契約で定めた条件の範囲内で家賃を保証してくれる仕組みです。
アパート経営最大のリスクである「空室による家賃収入減少」を回避することができます。
長期的に見ると資産計画が立てやすく、安心感も得られるでしょう。
やめるべきなのか?フルローンでのアパート経営のリスクとは?
アパート経営などの不動産投資には、初期費用として大きな投資額が必要になります。
自宅はフルローンを組むことができますが、アパート経営に興味がある人の中には「アパートもフルローンで経営したい」と考えている人もいるのではないでしょうか?
ここでは、フルローンでアパート経営を始める前に絶対に知っておきたいリスクについて説明します。
フルローンでのアパート経営とは?
フルローンアパート経営とは、諸費用は別に掛かりますが、自己資金は使わずに全額融資先から借入れして物件を購入し、アパートを経営することです。
まとまった資金がないという理由でフルローンを活用する場合ありますが、基本的には他人資本でアパート経営を始めることができるため、後々のアパート複数購入用や不測の事態のリスク対策として自己資金を残しておくことができます。
フルローンアパート経営は、特に投資サイクルを早めて事業を拡大させたいと考えている人におすすめの方法です。
フルローンの3つリスクと対策法
自己資金が少ない人でも、フルローンでアパート経営を始めることは可能です。
しかし、全額融資先から借入れして物件を購入するのは、リスクがどうしても大きくなります。
ここでは、フルローンでアパート経営を始める上で発生する3つのリスクと対策法を紹介します。
フルローンを組むリスクやデメリットを理解し、しっかり対策しながら夢のアパート経営を始めましょう。
諸経費はローンの対象外
フルローンアパート経営では全額借入金によって物件を購入しますが、一般的に諸経費はローンの対象になりません。
アパートローンには以下の諸経費が最低限必要になります。
- 仲介手数料
アパートやマンションを購入する際に、不動産会社との間に発生します。
仲介手数料は初期費用の中でも特に大きな出費になります。
- 印紙税
印紙税は、500万円を超えて1000万円以下の場合は、5,000円、1,000万円を超えて5,000万円以下の場合は10,000円、5,000万円を超えて1億円未満の場合は30,000円かかります。
なお、500万円以下の不動産売買の契約書でも金額に応じて印紙税が掛かります。
印紙税がかかる文書に貼り忘れると税額の3倍、消印されていない場合は印紙税相応額が課税されるので注意しましょう。
- 登録免許税
登録免許税は、土地や建物を購入する際に所有権の登記や登録を行うと発生します。
税額は、土地・建物の評価によって決まる課税標準に税率をかけて計算します。
- 不動産取得税
不動産取得税とは、土地や建物などの不動産を取得した際にかかる税金です。
購入後、半年前後で請求されるので、納税忘れに注意しましょう。
- 司法書士報酬
建物の登記費用や登録免許税などは、一般的に司法書士に依頼します。
司法書士に支払う報酬も予算に含めておく必要があります。
- 融資保証料
融資手数料、融資事務手数料など、金融機関によって呼び方が異なりますが、ローンを組む際に基本的に発生する手数料のことです。
- 火災保険料
自己資産を守るために、火災保険には必ず加入しておきましょう。
ローンを組んで購入した場合は、火災保険加入が義務付けられている場合があります。
- 地震保険料
地震大国の日本では、地震への備えも必須です。
地震保険は、通常火災保険と一緒にオプションとして加入することが多いです。
- 固定資産税精算金
固定資産税は1月1日時点での所有者に請求されます。
不動産を売買して、所有権が変わるときに残りの分を新所有者が旧所有者に支払って個性資産税を生産することを固定資産税精算金といいます。
耐用年数が切れた23年目から税金の増加
建物の取得原価の一部を耐用年数に応じて、計画的に費用として配分していく処理を「減価償却」といい、ここで発生する費用を「減価償却費」といいます。
減価償却費は、実際には支出されない会計上の費用となるので節税効果があります。
しかし、減価償却費が計上されるのは、木造アパートの場合だと耐用年数22年までです。
そのため、築23年目になると計上できる経費が少なくなりその分の税金が増えます。
アパートも築23年で、建物の修繕費が増えたりするため、税金増加と重なり経営が苦しくなる可能性もあります。
キャッシュフローが少なくなる
キャッシュフローとは、得た収入に対し支出を差し引いて、手元に残る資金の流れを指します。
フルローンの場合は「支出額」が大きくなるので、手元に残る資金も当然少なくなってしまうでしょう。
式で表すと
不動産所得ー借入金(ローン)=キャッシュフロー
になります。
このキャッシュフローをさらに細かくみるとここから、税金などを支払うことになるのです。
耐用年数23年目には減価償却費の計上がなくなり税金が増えるので、耐用年数満了時にローンを払い終えていなかった場合は、さらにキャッシュフロー額が減額されることになります。
アパート経営を失敗しないために、リスクやローン知識を把握しておくと良いでしょう!計画性が1番重要になります!
不動産投資の中でも人気のアパート経営には、当然リスクも存在します。
しかし、正しい知識を勉強することで、多くのリスクは回避することができるでしょう。
また、多額の自己資金が必要なイメージがあるアパート経営ですが、フルローンで始めることもできます。
借入先によって金利なども変わってくるため、できるだけ多くの金融機関で比較・検討してみましょう。
アパート経営に興味がある方は、ぜひ大吉不動産の無料セミナーや不動産投資フェアに参加してください。
一緒に計画性をもってじっくり検討しましょう。
まとめ
- アパート経営には、空室や家賃滞納などのリスクが存在する
- 家賃保証(サブリース)は空室があっても家賃保証してくれたり、オーナーの代わりに物件を管理してくれる仕組み
- 家賃保証(サブリース)にはオーナーの収入が減少したり、家賃保証が継続されない可能性などのデメリットが発生する
- フルローンでアパート経営はできるが、諸経費はローンの対象外になることや経年時の減価償却費に注意が必要
- アパート経営に失敗しないためには、計画性が最も重要なポイント