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2022年04月08日

不動産の生前贈与は相続対策に一部有効!税額やデメリットを徹底解説

「不動産の生前贈与は、相続税対策としてメリットがあるか」

一般的に、相続より生前贈与を行ったほうが支払う税金が高いのでその分損をしてしまいます。

しかし生前贈与の大きなメリットは、親などが元気でいるうちに、本人の希望通りに資産を引き継がせられることです。

残された遺族が万が一にも争いになるのを避けるため、生前贈与を検討している方もいるかもしれません。

贈与税と相続税は、当事者の関係性(親子、兄弟姉妹など)や、対象の財産といった複数の事情によって税率や利用できる特例制度が異なります。

どちらの方法がご自身にとって最適なのか、総合的に判断することが大切です。

この記事では、贈与税と相続税のしくみ、メリットデメリットなどを解説していきます。


 

生前贈与と相続の違い

生前贈与とは、不動産に限らず預貯金や有価証券などの資産を、生存中に他者へ与えることです。

財産を与える人を「贈与者」、財産を引き継ぐ人を「受贈者」と呼び、贈与者が財産を与える意思表示をして、受贈者がそれを受諾することで成立します。

生前贈与と相続の大きな違いは、財産を渡すタイミングと税率です。

生前贈与は贈与者が生存している間に財産を承継するもので、相続よりも税率が高くなる傾向があります。

一方、相続は被相続人が亡くなってから財産を承継するもので、贈与税よりも税金の負担が軽くなることがほとんどです。

贈与税は、相続税を補完するために設けられている制度。つまり、生前贈与は相続税の前倒しでもあります。

ご自身が生きている間に自分の意思で財産を渡したい人は、生前贈与も選択肢の一つです。

税金の負担を軽減させるために生前贈与を行いたい場合は、どちらがお得になるか慎重にシミュレーションすることが大切です。

 

贈与税の課税方法は2種類【暦年課税・相続時精算課税】

贈与税とは、個人が個人から財産をもらった時にかかる税金のことです。

そして、税金を納める人は贈与者(財産を与えた人)ではなく、受贈者(贈与をもらった人)になります。

また、法人から個人への贈与は贈与税の課税対象ではなく、所得税の課税対象です。

贈与税の課税方法には、以下2つの種類があります。

【贈与税の課税方法】

・暦年課税:1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産に対して課税される方法。
基礎控除110万円以下の贈与であれば非課税。税率は累進課税(※)。
※財産が高額なほど税率が高くなる課税方法です

・相続時精算課税:1月1日から12月31日までの1年間に、贈与者一人につき受け取った財産に対して課税される方法。
贈与された財産の合計から2,500万円を控除可能で、超えた分に一律20%が課税される。
60歳以上の父母・祖父母から20歳以上の子・孫への贈与が対象。

受贈者は、贈与者ごとにそれぞれ課税方法を選択でき、暦年課税の場合は基礎控除額110万円以下であれば確定申告不要です。

一方、相続時精算課税を選択する場合は、納税義務が生じなくても確定申告の期限内に所定の手続きが必要です。

詳細は国税庁の公式サイトや最寄りの税務署などでご確認ください。

 

暦年課税と相続時精算課税の違い

暦年課税は、受贈者が1年間にもらった財産の合計に対して課税されるものです。

たとえば、ある年に子が父と母から100万円ずつ、合計200万円の贈与を受けたとしましょう。

暦年課税では、子が受け取った200万円から基礎控除110万円を控除した90万円に対して課税されます。

一方、相続時精算課税は、選択した贈与者ごとに受け取った財産の合計に対して課税されるものです。

特別控除額2,500万円以下であれば贈与税は課税されず、2,500万円を超えた場合は超えた部分に一律20%の税金がかかります。

たとえば子が父から3,000万円の贈与を受けたとすると、500万円に対して20%の税金がかかります。(3,000万円-2,500万円)

 

相続時精算課税の注意点

ぱっと聞くと暦年課税よりも相続時精算課税の方がお得に感じます。

しかし、相続時精算課税を選択する場合、以下の注意点があります。

 

【相続時精算課税の注意点】

・毎年2,500万円ではなく累計2,500万円

・相続時に相続税と精算する

・一度選択すると、その贈与者に対する暦年課税を選択できなくなる

相続時精算課税は、贈与者が亡くなったタイミングで、すでに納めた贈与税と相続税を精算するものです。

この方法で受け取った財産は、相続時に他の相続財産と合算して計算し、計算された相続税からすでに納めた贈与税を控除できます。

一度選択すると、選択した贈与者に対する暦年課税を適用できなくなるため、慎重に判断する必要があります。

 

不動産の生前贈与は相続より費用が高くなる

不動産を生前贈与する場合、以下の点で相続するよりも費用が高くなります。

・相続時にかからない「不動産取得税」の課税対象となる

・登録免許税の税率が高くなること

不動産取得税とは、不動産を取得した時にかかる税金で、有償・無償、登記の有無に関わらず課税されます。

相続で取得した場合には不動産取得税が非課税ですが、贈与の場合は課税対象です。

登録免許税とは、不動産の所有権を登記する際にかかる税金です。

相続は通常よりも登録免許税の負担が軽減されているため、贈与の方が負担が大きくなります。

以下の通り、贈与時の登録免許税の税率は相続時の5倍です。

【登録免許税の税率】

  贈与 相続
土地・建物 2% 0.4%

参考元:No.7191 登録免許税の税額表|国税庁

【登録免許税の計算式】

登録免許税=不動産評価額×税率

仮に不動産評価額が2,000万円の場合、相続時の登録免許税は8万円、贈与時の登録免許税は40万円です。

また、相続による土地の所有権移転登記には、令和7年3月31日まで免税措置が設けられており、100万円以下の少額であれば登録免許税がかかりません。

このように、不動産の贈与と相続では税金の取り扱いが異なります。

 

不動産を生前贈与する4つのメリット

「不動産の生前贈与は費用がかかるから損をするのか」と感じた人もいるでしょう。

しかし、生前贈与を上手に活用すると残されたご家族の負担軽減や節税効果を得られる場合があります。

ここでは、不動産を生前贈与するメリットを解説します。

不動産を生前贈与するメリット① 財産を渡す相手を選べる


相続の場合、遺言があれば遺言の内容に従いますが、遺言がなければ相続人同士で話し合って財産を分割します。

不動産を確実に「この人に渡したい」といった希望がある場合、生前贈与も選択肢の一つです。

また、当事者が多数になるケースが多い相続と比べて、贈与の当事者は贈与者と受贈者のみです。

生前贈与は、相続よりも不動産の引き渡しをスムーズに行える可能性が高いでしょう。

 

不動産を生前贈与するメリット② 少額ずつの贈与で相続税の負担を軽減できる

相続税は、相続した財産すべてに対して税金がかかります。

課税方法は累進課税のため、財産が多いほど税金の負担が重くなる仕組みです。

生前贈与で毎年110万円ずつなど少額で贈与できれば、相続時の税金を抑えられる可能性があるでしょう。

ただし、不動産の価額は110万円を超えるケースがほとんど。

生前贈与を検討する前に不動産会社へ査定を依頼し、不動産の価値を確認してから検討するのも手です。

 

不動産を生前贈与するメリット③ 相続時のトラブルを防止できる可能性がある

金銭が絡む相続では、親族同士の「争続」となってしまうことも珍しくありません。

生前贈与をしておくと、そういったトラブルを回避できる可能性があるでしょう。

相続財産の分割方法には、以下3つの種類があります。

 

【相続財産の分割方法】

・現物分割:相続財産を現物のまま分割する方法

・換価分割:相続財産の一部を現金化してから分割する方法

・代償分割:特定の人が多く財産を相続した場合、他の相続人に自分の財産を与える方法

不動産の場合、共有名義で所有するケースもありますが、将来的に共有名義であるがゆえにトラブルが生じる場合があります。

また、現金化するとしても、売却にかかる費用でもめることもあるでしょう。

不動産を生前贈与しておくと、このようなトラブルを防止できる可能性があります。

 

不動産を生前贈与するメリット④ 相続時よりも評価額が低くなる場合がある

不動産は、経済状況や不動産の状態、周辺環境などで価値が変動する資産です。

不動産を生前贈与した場合、贈与時点での価額が課税対象となります。

先述の通り、相続税は資産価値が高いほど税率が高くなる仕組みです。

将来的に不動産の価値が上がる可能性がある場合、生前贈与しておいた方が税金の負担が軽くなる可能性があるでしょう。

不動産を生前贈与するデメリット

不動産を生前贈与するデメリットについても、併せて確認しておきましょう。

不動産を生前贈与するデメリット① 相続よりも費用の負担が重くなる可能性がある

先述の通り、不動産の贈与・相続では贈与の方が引き渡しにかかる税金の負担が重くなる傾向があります。

引き渡しにかかる費用を事前に確認しておくと良いでしょう。

 

不動産を生前贈与するデメリット② 相続開始前3年以内の贈与は相続財産になる

暦年課税で生前贈与した後、贈与者が3年以内に亡くなった場合、生前贈与した財産は相続税の課税対象になります。(相続時精算課税はもともと相続財産に加算します)

そのため、タイミングによっては生前贈与の意味がなくなる場合があります。

 

不動産を生前贈与するデメリット③ 小規模宅地等の特例を利用できない場合がある

相続時精算課税で生前贈与した場合、「小規模宅地等の特例」を利用できません。

小規模宅地等の特例とは、居住用、事業用、賃貸用など所定の要件を満たした宅地を相続した場合に利用できる特例制度です。

たとえば、対象の不動産が居住用の場合、330m2までの部分が80%減額されます。

対象の不動産によっては、生前贈与せずに相続時に小規模宅地等の特例を利用した方が節税効果が高い場合があるでしょう。

 

不動産の生前贈与に関する節税対策【配偶者への贈与】

生前贈与では、ここまで紹介した相続時精算課税、暦年課税の基礎控除、小規模宅地等の特例制度など複数の節税対策があります。

「配偶者からの贈与の特例」も節税対策として有効な手段の一つです。

これは婚姻期間20年以上の夫婦間で居住用不動産を生前贈与した場合、要件を満たせば基礎控除110万円に加えて、最高2,000万円の配偶者控除を受けられるものです。

贈与したい相手が配偶者で、不動産の価値が2,110万円を超えない場合は、「配偶者からの贈与の特例」を検討してみてはいかがでしょうか。

 

不動産を生前贈与する際の流れ・手続き

不動産を生前贈与する際は「言った・言わない」のトラブルを回避するために贈与契約書を作成し、所有権の移転登記を済ませておくことが望ましいでしょう。

手続きが不安な場合は、不動産会社や司法書士など専門家へ相談しましょう。

生前贈与の流れと手続きを以下にまとめたので、参考にしていただければと思います。

【生前贈与の流れ・手続き】

  1. STEP1:必要書類の準備(贈与契約書の作成、登記識別情報の準備など)
  2. STEP2:当事者による書類への署名、押印
  3. STEP3:所有権移転登記の手続き
  4. STEP4:各種税金を納める


まとめ

不動産の生前贈与には、相続時のトラブル防止や、贈与者の意思を尊重して財産を承継できるなど複数のメリットがあります。

ただし、制度の仕組みが複雑なため、相続税対策として行う場合は慎重に判断することが大切です。

不動産の生前贈与を検討している人は、基本的な仕組みを確認した上で不動産会社、司法書士、税理士といった専門家へ相談してみましょう。

 

この記事を書いた人

代表 山本

大吉不動産株式会社 代表取締役 2005年より不動産業に携わり、自らも区分のワンルームマンション投資や一棟アパート投資を実践している。 多くの不動産投資成功者を見る一方、初心者の失敗相談も多く受ける中、失敗する方を減らすため情報を提供しつつ、これから不動産投資を始める初心者の方を中心に不動産投資のいろはをお伝えしております。

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