2022年07月25日
【不動産投資入門】積算評価の計算方法とその重要性
不動産投資の本を読んでいたり、セミナーに参加したりしていると「積算評価」という言葉をきき、何それ?重要?と思われたことも多いと思います。
ここでは積算評価とは何か、積算評価の簡易的な計算方法、積算評価の重要性をご紹介します。
積算評価とは
積算評価とは、土地と建物を合わせた総合的な不動産の評価です。
一棟アパートやマンションの売り物件には、「物件価格」があります。
この物件価格の決め方には、利回りからある程度計算する「収益還元法」と、この積算を用いた値付けがあります。
まれに積算が出ないから割高だという方がいらっしゃいますが、その場合は収益還元法いわゆる利回り計算で値付けをしていることが予想されます。
実際に銀行員に聞いてみたところ、(もちろん銀行にもよります)まずこの積算評価で計算するとのことです。
しかし、この積算価格が銀行の評価とイコールかというとそうでもありません。
銀行によっては、この積算価格に調整(増やす場合も減らす場合も)し、さらに収益面の評価をかけ合せて物件の評価を決める銀行が多いようでした。
まずは、検討中の物件の積算評価が物件価格に対してどれぐらいの割合あるのかは見ておきましょう。
積算評価【土地】の計算方法
土地の評価は相続税路線価を用いて計算します。
土地の前面道路の決められた路線価に対して土地が何平米あるかで、路線価×土地面積となります。
この路線価はどこで調べればいいのかというとネットで調べることができます。
国税庁の路線価図で見ることができますが、少し使いずらくて住居表示の検索ができない為、私は簡易的に見るとき、全国地下マップを見て計算しております。
※ただ、まれに全国地下マップと路線価図の数字が違う時があったと聞いたことがありますので使用方法にはご注意下さい。
ここで一度見方をみてみましょう。
上記の写真の赤マークのところが弊社事務所の地域ですが、ここに640という数字があります。
この640は単位が千円なので、1㎡あたり64万ということになり、もしその土地が100㎡だったとすると、64万×100㎡=ここの土地の評価は6400万ということになります。
※銀行の計算方法によっては、用途地域や地形(旗竿地等)により掛け目が入ってしまう可能性もありますのでその点もご注意下さい。
積算評価【建物】の計算方法
建物の計算方法は【耐用年数と再調達価格】を用いて計算を用います。
※軽量鉄骨造は鉄骨の厚みが3mm未満ですと19年、3mm~4mmは27年です。
上記の一覧表を元に、
築20年の鉄筋コンクリート造(20万)で建物面積が400㎡ある場合を計算してみましょう。
そのまま計算すると 20万×400㎡=8000万。
これを47年で割ると、8000万÷47=170.2万 となり1年単価が出ます。
残りの耐用年数(47年-築20年=残27年)170.2万円×27年=4595万となります。
ここで、耐用年数とは何かとお伝えしておきますと、税務上の減価償却資産が耐える年数のことで、各年度に配分していく場合の計算の基礎となる年数のことです。
例えば木造で築30年の物件を購入しようとすると、建物は0ということになります。
よく耐用年数が切れている物件だからすぐダメになるのではないかと思われる方がいらっしゃいますが、これはあくまで税務上の数値で銀行が参考に用いており、融資期間が耐用年数以内でないといけないとか、耐用年数がすぎると建物がつぶれてしまうということではありません。
積算価格はどこまで必要なのか
一般的には積算価格が物件価格に近い方が良いとされております。
しかし、積算価格が高いというのは不動産としての価値が高いということですので、利回りが低い傾向にあり、高積算で高利回りの物件はとても少なく、出てきても不動産業者や資産が数億もある投資家も買いに来ますので一般の投資家が買うのはとても大変です。
ただし、メガバンク等でRCを買い増して行きたいという方は、銀行は積算価格が物件価格との乖離が少ない物件を好みますので重要になってきます。
しかし、その他の銀行や木造等を買っていく方には、もちろん積算価格が高い方が融資は受けやすいですが、その分固定資産税等も高くなりますのでキャッシュフローは圧迫されることになります。
これから資産を作っていく投資家は積算もあるにこしたことはありませんが、積算は高いけど利回りが低くキャッシュフローが出ないのでは全く意味がないので、まずはキャッシュフローがでる物件を選ぶことが大切です。
写真の弊社のお客様でもあり、テレビにも一緒に出演していただいた「専業大家」のお客様も、積算は全く気にせずにキャッシュフローだけで買い進めてきたと話しております。
このバランス等についてもご質問があるようでしたらお気軽にお問合せください。