2024年08月18日
一棟アパートの売却で、修繕や部屋の原状回復はするべきか否か
大吉不動産の山本です。
毎月30件ほど、多い時には50件の一棟アパートや一棟マンションの売却査定をいただきます。
その際に外壁塗装を行えば、もっと高く売れるんじゃないか?とのご質問をよくいただきます。
自宅用などであれば、綺麗にしたほう方売れやすいのですが、収益物件の場合は実はそうとも限りません。
なぜ高く売れないのかを下記で解説します。
【一棟アパート売却】価格と評価の問題
一般的に見ると、外壁等も綺麗に修繕されている物件の方が評価は高そうです。
しかし、収益物件は売却する際の買主の状況によって事情が異なります。
ほとんどの買主は融資を使うことになりますが、できれば物件価格の100%(フルローン)に近い融資を受けたいわけです。
修繕が必要な物件ということは、比較的古めの物件になってくるという前提ですが、木造の場合は建物の価値がほとんどなくなっている状況ですので、土地の価値が物件の評価として割合が大きくなってきます。
例えば下記の例としてみた場合、
A 修繕なし
物件価格 5000万
物件の評価 3500万
物件価格と評価の差 1500万
B 修繕あり
物件価格 5300万(外装工事に300万かけたとして)
物件の評価 3500万
物件価格と評価の差 1800万
となり、物件価格と評価の差が大きくなると、Aの方が融資が受けやすいということになってきます。
特に銀行によっては、この300万の差で融資が不可となる場合もあります。
もちろん金融機関により、修繕したことをプラス材料としてみてくれる場合もありますが、
実際は土地は路線価等を参考にし、建物は築年数をメインに考えますので修繕をしても数字上は評価が伸びないのです。
一般的な融資でみると、この評価差が少ない方が融資が出やすいので、売却価格が上がらないようによほどの状況でなければそのまま売却に出すことをオススメします。
※物件により金融機関が変わる可能性がありますのでお気軽にご相談下さい。
空室の内装工事(原状回復)は?
内装の原状回復もとても難しいですが、結果から申しますと「した方が良い」です。
あまりにも汚ければ、買主の方はリスク回避の為にリフォーム費用を高めに想定するため、その分高く売却する可能性が低くなります。
その為、ある程度の修繕はしておいた方が良いと思われます。
もし修繕をするのであれば、壁紙などにアクセントクロスを使用してあげてもいいかもしれません。
(アクセントクロスを使う場合は、過激な壁紙よりもシンプルな色の方がいいと思われます。)
空室で割とキレイな状態でも、ちょっとしたクリーニングを施せば「空室は原状回復済みです」と言えますので、しておいた方がいいかと思います。
原状回復をすると、売却期間中に入居者がついて、家賃収入が入るのと、検討している方の印象が高まる可能性があるメリットもあります。
外壁塗装は?
1でも記載しましたように、評価のところを気にしながら検討することが重要です。
しかし、鉄部に関しては錆はひどいようでしたら塗装もしくはタッチアップ程度しておくのもいいかもしれません。
この写真のように錆がひどい状況ですと、誰もがすぐに修繕した方がよさそうだなという判断になるので、価格交渉されてしまう一つの材料となってしまいます。
まとめ
評価等は金融機関によっても変わってきますので、何かをやる前にまずは相談することが大切ですのでお気軽にご相談下さい。
売却のご相談はお気軽にご相談下さい。