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2022年05月03日

贈与税がかからない方法5つ!負担を減らし財産を承継できる特例制度

税率が高いことで知られる贈与税。

父母・祖父母から子・孫などへ贈与する場合、財産をもらった人が税金を負担します。

贈与する側としては、贈与を受ける人の負担を軽くしてあげたいですよね。

負担を減らしつつ次世代へ財産を承継させるには、贈与税の仕組みや特例制度を上手に活用することが大切です。

ここでは、贈与税がかからない5つの方法と、親族間で利用できる特例制度について解説します。

贈与税がかからない5つの方法とは?

まず、「贈与税がかからない」とはどういう意味なのか明確にしておきましょう。

そもそも贈与税とは、個人が個人へ財産を与えた時、財産をもらった人に課税される税金です。

「贈与税がかからない」とは、本来課税されるはずの税金が、目的や状況に応じて定められた範囲内で非課税になることを指します。

贈与税がかからない方法には以下5つの方法があります。

  • 基礎控除110万円以内で贈与する
  • 相続時精算課税を選択する
  • 贈与税がかからない財産を贈与する
  • 特例制度を利用する
  • 土地をタダで貸す

ここでは、それぞれの考え方について順番に解説しましょう。

基礎控除110万円以内で贈与する

贈与税がかからない方法として最もシンプルな選択肢は、暦年課税の基礎控除110万円以内で贈与する方法です。

この場合、確定申告も必要ありません。

贈与税には、暦年課税と相続時精算課税という2つの課税方法があります。両者の違いは以下の通りです。

【贈与税の課税方法】

・暦年課税:受贈者※が、1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産を基準に税額を計算する方法

・相続時精算課税:1月1日から12月31日までの1年間で、贈与者※ごとにもらった財産の合計額を基準に税額を計算する方法

※受贈者:子、孫など財産をもらった人

 贈与者:父母、祖父母など財産を与えた人

暦年課税は、1年間に受けた贈与が110万円以下であれば非課税です。(贈与税がかかりません)

ただし、110万円というのは、受贈者が1年間に受け取った財産の合計額です。

たとえば、1人の孫が同じ年に祖父・祖母から100万円ずつ(合計200万円)の贈与を受けた場合、90万円を基準に贈与税額を計算します。(贈与額200万円-基礎控除110万円)


相続時精算課税を選択する

贈与税がかからない方法として、相続時精算課税を選択する方法もあります。

これは、先ほど述べた贈与税における課税方法のもう一つの選択肢です。

相続時精算課税は、以下に該当する贈与で選択できます。

【相続時精算課税の対象】

・贈与者:60歳以上の父母・祖父母

・受贈者:18歳以上※の子・孫

※令和4年3月31日以前の贈与では20歳以上です

相続時精算課税を選択する際は、贈与税の確定申告等、所定の手続きが必要になります。

この制度を選択すると、選択した贈与者からの贈与は累計2,500万円まで特別控除額が適用されるため、その限度額までであれば贈与税がかかりません。

2,500万円を超えた部分には、一律20%の贈与税がかかります。

ただし、相続時精算課税は、単純に節税できる制度ではない点に注意が必要です。

この制度を選択した場合、特別控除額までは贈与税として課税されないものの、相続時に相続財産の対象として他の財産と一緒に税額を計算します。

制度名の通り「相続時」に「精算」する仕組みのため、納税のタイミングを贈与時から相続時に先延ばしにしているという見方もできます。

さらに、相続時精算課税を選択すると、選択した贈与者からの贈与を暦年課税に変更できません。

制度内容が少々わかりにくいため、この制度を選択する際は慎重に判断する必要があります。

贈与税がかからない財産を贈与する

贈与税は、原則、個人から個人へ財産を与えた場合に課税されます。ただし、一般的に課税対象としてふさわしくないものには課税されません。

たとえば、以下のケースが挙げられます。

【扶養義務者からの生活費等】

夫婦、親子、兄弟姉妹といった扶養義務者からの生活費、教育費、治療費などのうち、一般的な範囲内のもの

【お祝い・お見舞いのための金品等】

花輪代、香典などのうち社会通念上、相当と認められるもの

【障害がある方の生活費等】

障害がある方の生活費等に充てるための贈与のうち、一定範囲内のもの※

※詳しい制度内容や手続きについては、国税庁の公式サイト・税務署等でご確認ください。

特例制度を利用する

贈与税には、目的や状況に応じて複数の特例制度が設けられています。

条件に合った特例制度を上手に活用すると、贈与税が課税されることなく財産を承継できるでしょう。

特例制度の詳細は次の章で解説します。

土地をタダで貸す(使用貸借)

これは、財産をあげる(贈与)ではなく、貸すこと(使用貸借)で贈与税がかからない方法です。

使用貸借を簡単にお伝えすると、無償で貸し借りを行うことです。

たとえば、親が所有する土地を子に貸して、子がその土地の上に家を建てるケース。

他人同士であれば、土地を借りる際に借主から地主へ地代や権利金を支払います。

しかし、親子間ではそのような支払いを行わないケースがほとんどでしょう。

子が土地を使用する権利を無償で得ていることから、贈与を受けたという見方もできますが、使用貸借による土地の貸し借りは、贈与税の課税対象になりません。

 

【親族間で利用できる】贈与税の4つの特例制度

贈与税には、目的や状況に応じて複数の特例制度が設けられています。ここでは以下4つの特例制度の概要をご紹介します。

【夫婦間での贈与】

 居住用不動産に関する贈与

【父母・祖父母から子・孫への贈与】

  • 住宅取得等資金の非課税
  • 教育資金の一括贈与
  • 結婚・子育て資金の一括贈与

ただし、上記特例制度の適用を受けるには、贈与税の確定申告や所定の書類提出など手続きが必要です。

詳しい手続きや要件については、国税庁の公式サイト、お近くの税務署等でご確認ください。

 

夫婦間での居住用不動産に関する贈与

夫から妻、妻から夫など、夫婦間で居住用不動産を贈与する場合、特例制度を利用できます。

この制度を利用すると基礎控除110万円(暦年課税)の他に、最高2,000万円までの控除が適用されるため、合計2,110万円までなら贈与税がかかりません。

夫婦間でマイホームの贈与を検討している場合、贈与税の節税対策として有効的な選択肢の一つと言えるでしょう。

【制度の対象】

  • 婚姻期間20年以上の夫婦
  • 居住のための家屋(またはその家屋の土地を取得するための金銭)

住宅取得等資金の非課税

子や孫が、父母や祖父母などの直系尊属からマイホームの新築・増改築等の資金に対する贈与を受けた場合、一定の要件を満たすと非課税制度が適用されます。

この制度を利用する際の条件は以下の通りです。

【適用期間】

 令和5年12月31日まで

(令和4年1月1日以降の贈与に適用。以前は令和3年12月31日まででしたが、令和4年度税制改正によって2年間延長されています)

【非課税限度額】

  • 耐震、省エネ、バリアフリーの住宅家屋:1,000万円
  • 上記以外の住宅家屋:500万円

※令和4年1月1日以降の贈与に適用

【受贈者の条件】

  • 18歳以上の子・孫

※令和4年4月1日以降の贈与に適用。それ以前の贈与は20歳以上です。

  • 贈与を受けた年の合計所得金額2,000万円以下

※家屋の床面積が40m2以上50m2未満の場合は1,000万円以下

また、上記の他にも対象の家屋には細かい条件があります。詳細は、不動産会社や税務署等へご確認ください。

弊社「大吉不動産」でも不動産に関するご相談を受け付けていますので、お気軽にお問い合わせいただければと思います。

教育資金の一括贈与

子や孫が祖父母などの直系尊属から教育資金のための財産を受け取った場合、「教育資金一括贈与」の特例制度を利用できます。

この制度を利用する際の条件は以下の通りです。

【教育資金の範囲】

 幼稚園、小中学校、高等学校、大学といった学校等に支払われる金銭など 例:入学金、授業料、入園料等

【適用期間】

 令和5年3月31日まで

【非課税限度額】

 1,500万円

【受贈者の条件】

 30歳未満

※30歳以上でも学校等に在学しているなど、要件を満たせば適用される場合があります

 前年の合計所得金額1,000万円以下

教育資金の一括贈与の特例制度を利用するには、教育資金口座を開設し、必要書類を提出する必要があります。

手続きや条件の詳細は、金融機関等へご確認ください。

 

結婚・子育て資金の一括贈与

子・孫が父母・祖父母から結婚や子育て資金に充てるための贈与を受けた場合、「結婚・子育て資金の一括贈与」の非課税制度を利用できます。


【結婚・子育て資金の範囲】

 結婚に関して支払う金銭(300万円が限度)

 例:挙式費用、披露宴の費用

 妊娠、出産、育児に要する金銭

 例:不妊治療、妊婦検診、子の医療費、保育費

【期間】

 令和5年3月31日

【非課税限度額】

 1,000万円(結婚資金の限度額は300万円)

【受贈者の条件】

 18歳以上50歳未満

 ※令和4年3月31日以前は20歳以上50歳未満

 前年の合計所得金額1,000万円以下

この特例制度を利用するには、結婚・子育て資金口座を開設し、必要書類を提出する必要があります。

手続きや条件の詳細は、金融機関等へご確認ください。

 

贈与税の確定申告をしなかった場合のペナルティ

贈与税の節税を検討している人は、ペナルティについても確認しておきましょう。

贈与税の納税義務があるにも関わらず確定申告しなかった場合や、正しく確定申告しなかった場合は状況に応じて以下のペナルティが課せられます。

【確定申告漏れ等によるペナルティ】

・無申告加算税:申告を忘れていた場合
・重加算税:申告義務があると知っていたにも関わらず、意図的に申告しなかった場合
・過少申告加算税:期限内に申告したものの、納税額が少なかった場合
・延滞税:納税期限内に納税できなかった場合

上記の中でも、特に悪意があるとみなされる「重加算税」では、本来納めるべき税額×最大50%のペナルティが生じます。

贈与税の節税を検討している人は、今回ご紹介した特例制度を上手に活用して合法的に税金対策を行いましょう。

 

まとめ

贈与税は税率が高いことで知られていますが、各種特例制度を活用すると税金の負担を軽減できます。

ただし、それぞれの特例制度には条件があるため、事前に確認しておきましょう。

また、贈与は相続の前倒しでもあります。贈与税を本当の意味で節税するには、贈与・相続どちらが有利かといった視点を持つことも大切です。

以下の記事では不動産の生前贈与について解説しているので、こちらも参考にしていただければと思います。

この記事を書いた人

代表 山本

大吉不動産株式会社 代表取締役 2005年より不動産業に携わり、自らも区分のワンルームマンション投資や一棟アパート投資を実践している。 多くの不動産投資成功者を見る一方、初心者の失敗相談も多く受ける中、失敗する方を減らすため情報を提供しつつ、これから不動産投資を始める初心者の方を中心に不動産投資のいろはをお伝えしております。

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