毎月30件から多い時には50件ほどの一棟アパートや一棟マンションの売却査定をいただいておりますが、その際に外壁塗装をしてキレイにした方が高く売れるんじゃないか?とのご質問をよくいただきます。
住む自宅等ですと、もちろん外壁塗装等もされていれキレイな方売れやすいのですが、収益物件の場合はそうとも限りません。
なぜ高く売れないのかを下記で解説します。
物件価格と物件の評価の問題
一般的に見ると外壁等も綺麗に修繕されている物件の方が良いはずです。
しかし、収益物件を売却するということはもちろん買主がいることになります。
買主のほとんどは融資を使いますが、この融資の際に極力物件価格の100%(フルローン)に近い融資を受けたいわけです。
修繕が必要な物件ということは、比較的古めの物件になってくるという前提ですが、木造の場合は建物の価値がほとんどなくなっている状況ですので、土地の価値が物件の評価として割合が大きくなってきます。
例えば下記の例としてみた場合、
A 修繕なし
物件価格 5000万
物件の評価 3500万
物件価格と評価の差 1500万
B 修繕あり
物件価格5300万(外装工事に300万かけたとして)
物件の評価 3500万
物件価格と評価の差 1800万
となり、物件価格と評価の差が大きくなってしまいますのでAの方が融資が受けやすいということになってきます。
※特に銀行によってはこの300万の差で融資が不可となる場合もあります。
もちろん金融機関により、修繕したことをプラス材料としてみてくれる場合もありますが、実際に評価を出すのは土地は路線価等を参考にし、建物は築年数をメインに考えますので修繕をしても数字上は評価が伸びないのです。
一般的な融資でみると、この評価差が少ない方が融資が出やすいので、売却価格が上がらないようによほどの状況でなければそのまま売却に出すことをオススメします。
※物件により金融機関が変わる可能性がありますのでお気軽にご相談下さい。
空室の内装工事(原状回復)は?
内装の原状回復もとても難しいですが、結果から申しますと「した方が良い」です。
とても汚い状況ですと、どれぐらい内装費用がかかるのだろう?と考え、よほどの経験者ではない限りは、リスク回避の為に高めの銀額で想定します。
その為、ある程度の修繕はしておいた方が良いと思われます。
また、どうせ修繕をするのであれば、壁紙などをアクセントクロス等を使っておいてあげてもいいかもしれません。
アクセントクロスを使う場合はあまり、過激な壁紙よりもシンプルな色の方がいいと思われます。
空室で割とキレイな状態でも、あまり費用をかけずに「空室は原状回復済みです」と言えますので、しておいた方がいいかと思います。
原状回復をして売却するにあたり、売却期間中にも入居がつく可能性があるメリットもあります。
外壁塗装は?
1でも記載しましたように、評価のところを気にしながら検討することが重要です。
しかし、鉄部に関しては錆はひどいようでしたら塗装もしくはタッチアップ程度しておくのもいいかもしれません。
この写真のように錆がひどい状況ですと、誰もがすぐに修繕した方がよさそうだなという判断になるので、価格交渉されてしまう一つの材料となってしまいます。
まとめ
評価等は金融機関によっても変わってきますので、何かをやる前にまずは相談することが大切ですのでお気軽にご相談下さい。
売却のご相談はお気軽にご相談下さい。
筆者プロフィール
大吉投資不動産株式会社
代表取締役 山本高昌
2000年より不動産業に携わり、自らも区分のワンルームマンション投資や一棟アパート投資を実践している、大家兼任で不動産投資専門の大吉投資不動産の代表
多くの不動産投資成功者を見る一方、初心者の失敗相談も多く受けてきていいるので、できる限り失敗する方を減らすために情報を提供しつつ、これから不動産投資を始める初心者の方を中心に不動産投資いろはをお伝えしております。