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2022年06月04日

【離婚時の不動産売却】トラブルを最小限に抑える4つのポイントとは

 

離婚時の不動産売却は、トラブルが生じやすい事柄です。

  • 売却のタイミングは離婚の前後どちらが良いのか
  • 何から始めれば良いのか
  • 離婚相手とのトラブルを回避するにはどうするべきか

など気になる点がたくさんあると思います。

ここでは、離婚時に不動産を売却したい方に向けて、トラブルを最小限に抑えるためのポイントや注意点を解説します。

 

 

1 離婚時の不動産売却と財産分与

 

 

夫婦が離婚する際、不動産や預貯金などを財産分与によって分けることが可能です。

財産分与とは、相手方に財産の分与を請求できる制度です。

財産分与の対象となる「財産」とは、「夫婦で協力して築いた財産」になります。

共有名義の財産だけでなく、片方の名義の財産であっても財産分与の対象になる場合があります。

たとえば、妻が家事のみを行い、夫が働いて収入を得ていた場合。

夫の収入で不動産などの財産を購入するケースが一般的です。

しかし、妻が家事をすることで夫が仕事に集中できたのであれば、「夫婦で協力して築いた財産」になります。

夫が働いたお金で購入したマイホームなど、一方の稼ぎで購入した財産であっても、財産分与の対象になります。

財産分与の割合は基本的に半分ずつですが、夫婦で話し合ってお互いが納得できるのであれば自由に条件を決めてOKです。

話し合いで解決できない場合、家庭裁判所へ調停または審判を申し入れることもできます。

 

1-1 財産分与の対象にならないもの

財産分与の対象は「夫婦で協力して築いた財産」です。

婚姻前から一方が所有していた財産や、婚姻中に相続・贈与によって取得した財産は財産分与の対象外になります。

 

1-2 不動産を財産分与する方法

離婚時に不動産を財産分与する場合、一般的に以下2つの選択肢があります。

  1. 第三者に売却して、売却代金を2人で分ける
  2. 相手方に自分の持分(もちぶん)を売却する

前者は夫婦それぞれが離婚後に別の住居で暮らすなど、対象の不動産が不要の場合に取るケースが多いです。

後者はどちらか一方が離婚後もマイホームに住み続けるなど、不動産を残したい場合に取るケースが多いです。

上記の他にも「不動産を売却せずに共有名義のまま所有する」という選択肢もあります。

ただし、この方法はトラブルが生じる可能性があるため、できれば1または2の選択をした方が良いでしょう。

不動産を共有名義のまま所有する際のトラブルについては、後ほど解説します。

 

 

2 不動産を売却するタイミングは離婚前or離婚後どっち?

 

 

離婚時は子どものことや離婚後の生活のことなど、話し合うべき内容がたくさんあります。

その中でも、不動産の売却は離婚前・離婚後どちらが良いのか悩む人は多いでしょう。

結論からお伝えすると、不動産の売却は離婚前に済ませた方が精神的な負担やトラブルは少ないです。

不動産の売却を離婚後にすると、

 

  • 相手と連絡が取れずに売却活動が進まない
  • 本当は連絡を取りたくないのに、相手と連絡を取らないといけない

 

など相手や離婚時の状況によって問題が生じる可能性があります。

不動産の売却を後回しにすると面倒に感じてしまうこともあるので、早めに手続きしておいた方が良いでしょう。

 

2-1 ただし、税金の負担を考えるなら「離婚届を出した後」

不動産を売却するタイミングは、離婚前の方がトラブルや精神的な負担が少ないとお伝えしました。

ただし、離婚届を出した後の方が税金の負担が軽くなります。

不動産を財産分与する際に生じる税金は「財産をもらった側」と「財産を与えた側」で異なるため、それぞれの視点から解説しましょう。

 

【財産をもらった側の税金】

個人から個人へ財産を移転させた場合、一般的には「財産をもらった側」に贈与税の納税義務が生じます。

しかし、財産分与で財産をもらった場合は税金がかかりません。

 

 

財産分与に贈与税がかからない理由は、「財産をもらったのではなく、夫婦で保有する財産を精算あるいは離婚後の生活保障として分けるため」です。

つまり、そもそも贈与とはみなされないため贈与税がかかりません。

また、財産分与では不動産を取得した際にかかる不動産取得税も非課税です。

税金の負担を軽減したい場合、不動産の売却は離婚届を出して戸籍を分けた後にした方が良いでしょう。

婚姻中に財産を移転すると「贈与」とみなされ、贈与税や不動産取得税の課税対象になります。

 

【財産を与えた側の税金】

不動産を他者へ譲渡して譲渡所得※が生じた場合、譲渡所得税の課税対象になりますが、財産分与した際も同様です。

※譲渡所得:売却代金から購入費用と売却にかかった費用を差し引いて、プラスになった場合に生じる利益です。譲渡所得税については、こちらの記事で解説しています。


 

ただし、マイホームの譲渡所得には「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の特例」が適用される場合があります。

この制度を利用できれば、譲渡所得3,000万円までは譲渡所得税がかかりません。

特例を受けるための要件の一つに「譲渡した相手が夫婦などの特別な関係でないこと」とあるため、婚姻中の場合は特例制度を利用できない点に注意が必要です。

その他、特例を受けるための要件については、国税庁の公式サイトをご確認ください。

 

2-2 財産分与の請求権は離婚後2年

話し合いで解決できるのであれば、財産分与は自分たちのタイミングで行えばOKです。

ただし、離婚後2年を過ぎると家庭裁判所に調停または審判の申し立てをできなくなります。

話し合いで解決することが難しい場合、早めに手続きすることをおすすめします。

 

 

3 離婚時の不動産売却で重要な4つのポイント

不動産は、夫婦の財産の中でも高価な財産です。

売却をスムーズに行うために、以下4つのポイントを押さえておきましょう。

 

 

ここでは、上記4つのポイントについて順番に解説します。

 

3-1 不動産の名義人(所有者)

不動産の名義人(所有者)とは実際に住んでいる人ではなく、所有権という権利を持っている人です。

不動産の名義人は1つの不動産に1人とは限らず、複数人となっていることも珍しくありません。

 

【単独名義・共有名義】

単独名義:1人が所有している状態。

共有名義:2人以上が所有している状態。夫と妻で2分の1ずつなど、出資割合に応じた持分を持っている状態です。

自分が不動産の名義人でない、または夫婦の共有名義となっている場合、自分のみの判断では売却できないため注意が必要です。

また、マンションの場合は土地と建物がセットになりますが、戸建ての場合は土地・建物の名義人が別々の場合もあります。

たとえば、一方が相続した土地に、他方の名義で建物を建てた場合などが該当します。

「不動産の名義人が誰か」によって売却時の対応が異なるため、「名義人」は離婚時に確認するべき大切なポイントです。

 

3-2 住宅ローンの契約者・連帯保証人

不動産の名義人と住宅ローンの契約者は別物です。

不動産の名義人は不動産を購入した時の買主と契約を締結した人、住宅ローンの契約者は金融機関と契約を締結した人になります。

詳細は後述しますが、不動産を売却するにはローンを完済する必要があるため、住宅ローンの契約者本人による手続きが必要です。

不動産の名義人と住宅ローンの契約者は同じケースが多いですが、念のため契約内容を確認しておいた方が良いでしょう。

 

【住宅ローン契約者の変更は難しい】

離婚を機に、住宅ローン契約者を変更したいケースは注意が必要です。

融資を受ける際、収入、勤続年数、年齢など契約者のさまざまな情報を考慮して審査をしています。

利息を計算するための金利や融資額など融資条件も、審査によって決められたものです。

状況にもよりますが、「離婚するから契約者を変更したい」と簡単に手続きすることは難しいでしょう。

 

【連帯保証人の有無も要チェック】

契約内容によっては連帯保証人がいる場合もありますが、連帯保証人も自由に変更できません。

連帯保証人は契約者と同等の責任があるため、ローン契約者の返済が滞った場合に多大な迷惑がかかります。

離婚後に迷惑をかけないように、連帯保証人についても確認しておくことをおすすめします。

 

3-3 住宅ローンの残債・不動産の査定額

住宅ローンを組んで購入した不動産には、抵当権※が設定されている場合がほとんどです。

※抵当権:金融機関が不動産を競売にかけるために設定する権利です。

抵当権が設定されている不動産は売却が難しいため、抵当権を外す必要があります。

抵当権を外すためには、「抵当権抹消登記」という手続きを行います。

この手続きは、ローンを完済して金融機関の許可を得ないとできません。

つまり、ローンが残っている不動産は、以下の状態でローンを完済する必要があるということです。

 

  • ローン残債よりも高い価格で不動産を売却する
  • ローン残債と不動産の売却価格の差額分を自己資金で用意する

 

前者の状態をアンダーローン、後者の状態をオーバーローンと呼びます。

ローン<不動産の売却価格:アンダーローン

ローン>不動産の売却価格:オーバーローン

不動産売却時にどちらの状態かを把握するために、ローンの残債確認と不動産査定を早めに済ませておきましょう。

 

3-4 不動産売却方法【仲介・買取】

不動産の売却は不動産会社へ依頼するケースがほとんどですが、同じ不動産会社でも「仲介」と「買取」で特徴が異なります。

 

【不動産の売却方法】

・仲介:不動産会社に売却活動を依頼し、新しい買主を探してもらう方法。

早くても3~6ヶ月など時間がかかりますが、買取よりも高く売却できる可能性があります。

・買取:不動産会社に直接不動産を買い取ってもらう方法。買主は不動産会社のため短期間で売却できますが、売却価格が相場よりも2~3割程度低くなる可能性があります。

 



4 離婚で不動産を売却する際の流れ

離婚で不動産を売却する際の流れは以下の通りです。

 

 

上記の通り、不動産の名義やローンの契約者、相場は早い段階でチェックしておくことが大切です。

ローンの残債がある場合、アンダーローンかオーバーローンかで対応が異なるため状況に応じて不動産会社や金融機関へ相談しましょう。

また、不動産会社へ売却活動を依頼する場合は、相手方と話し合った上で進めることが大切です。

STEP4の売却活動以降は基本的に不動産会社が先導してくれるので、専門家にお任せしましょう。

大吉不動産では、いつでも不動産売却に関するご相談をお待ちしておりますのでお気軽にお問い合わせください!

 

4-1 任意売却って何?

任意売却とは、契約者がローンを滞納した場合やオーバーローンの場合など、どうしてもローンを完済できない状況において、金融機関と話し合って不動産を売却することです。

離婚後に1人でローンを払えなくなった場合や完済の目途が立たない場合などに備えて、任意売却について知っておくと良いでしょう。

融資を受ける際、契約者はローンを分割して支払う権利(期限の利益)を持っています。

しかし、ローンを滞納すると、金融機関との契約違反となり期限の利益(ローンを分割して返済する権利)を喪失します。そうなると、ローンの残りを一括返済しなければなりません。

多くの場合、一括で返済できないので、金融機関による債券回収のために不動産を競売にかける手続きが進みます。その前に金融機関と話し合って任意売却できれば、競売にかけずに不動産を売却できる場合があります。

任意売却には金融機関の許可が必要なので、金融機関の担当者へ早い段階で相談することが大切です。

 

 

5 離婚前後に起こりやすい不動産のトラブル事例

離婚時に不動産を売却する際、第三者へ売却して現金を財産分与しておけばトラブルが起こりにくいです。

しかし、現実的にはローンの残債があって売却できないケース、子どものことを考えてどちらか一方が住み続けるケースがあります。

ここでは、離婚時に不動産を売却しない場合に起こりやすいトラブルをご紹介しましょう。

 

5-1 相手名義の不動産に住み続ける場合

家を出ていく側が不動産名義人のままで、住宅ローンの返済も続けるケースではトラブルが生じやすくなっています。

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【トラブル事例1】

離婚後に妻と子がマイホームに住み続け、家を出て行く夫が住宅ローンの返済を続けるケース。

離婚時の話し合いで夫が住宅ローンを返済することを約束していたが、ある時ローンの返済が滞ってしまった。不動産の名義も住宅ローンの契約者も元夫であるため、元妻はローンの滞納に気がつかずにマイホームが競売にかけられることに…
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不動産・ローンの名義が自分ではない場合、公正証書にて離婚協議書を作成するなど対策を取っておくことが大切です。

 

5-2 共有名義を維持する場合

夫婦でペアローンを組んでいる場合など、不動産が共有名義になっているケースがあります。

共有名義の不動産を勝手に売却することはできませんが、自分の持分のみを売却することは可能です。

 

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【トラブル事例2】

妻・夫の共有名義のまま不動産を残したケース。

夫が知らない間に妻の共有持分のみを不動産会社へ売却され、不動産会社から自分の共有持分も売却するように打診されてしまった。
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また、相続によって見ず知らずの人と共有状態になるケースもあります。

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【トラブル事例3】

夫・妻の共有名義を解消せずに離婚し、離婚後に夫が再婚したケース。

夫が再婚後に亡くなり、夫の共有持分が再婚相手に相続される。元妻と再婚後の妻は、赤の他人のまま共有状態に。元妻が不動産を売却したい場合、見ず知らずの再婚相手の同意を得る必要があり、売却したくても売却できない状態に…
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離婚後に共有名義を維持するとトラブルが生じやすいため、共有持分を一方へ売却するなど、共有状態を解消しておきましょう。

 

 

まとめ

離婚時の不動産売却は、注意するべき点が複数あります。

後に大きなトラブルにならないように、しっかりとポイントを押さえておきましょう。

また、トラブルを回避するためには相手方としっかりと話し合うこと、専門家へ相談した上で手続きをすることが大切です。

大吉不動産でもご相談をお待ちしておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください! 

 

この記事を書いた人

大吉 営業部

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